リーフェルものがたり 第14話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- リーフェルたちは、小高い丘の上からなにかを探しています。
「ブラックリーフェルはどこかな?」
そう、探しているのはブラックリーフェル。
忘れものの「サングラス」を届けてあげようとしているのです。
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- そこへ、丘を登って白ヤギさんがやってきました。
「黒ヤギさんから手紙がきたんだけど、食べちゃったから何の用かわかんないメエエ。
いっしょに黒ヤギさんを探してくれない?メエエ」
「それは大変だね、分かった手伝おう。」
白ヤギさんとリーフェルたちは、黒ヤギさん探しに出かけました。
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- しばらく行くと…いました! 黒ヤギさんです。
「こんにちは黒ヤギさん。白ヤギさんがお手紙たべちゃったんだって。」
「ごメエエん、何が書いてあったのか教えてメエエ。」
と白ヤギさん。
黒ヤギさんは答えます。
「大変なんだメエエ。となりの谷で、ヒツジさんたちのゲップが止まらないらしいんだメエエ。心配なんだメエエ。」
「何だって? ヒツジさんたちのところへ行ってみるよ!」
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- ヒツジさんたちがたくさんいる草原にやってきたリーフェル。
さっそくヒツジさんにはなしを聞いてみることにしました。
「ゲップが止まらないんだって?」
「それはね、ブラックリーフェルがきた時だよ。」
「ブラックリーフェルがここにくるの?!」
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- 「うん、シュワシュワーってする、おいしい水をくれるんだ。
これをのんでたら、ゲップが止まらないんだ。」
「それは? あっ、わかった! 炭酸水だ。」
「でも、なぜ炭酸水をヒツジさんたちにあげるんだろう?」
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- リーフェルたちは木陰にかくれて、ブラックリーフェルを待つことにしました。
しばらくすると、たくさんの炭酸水を持ったブラックリーフェルがやってきました。
ヒツジさんたちは大喜びで飲みはじめます。
「おいしい! うめーっぷ。」「うめーっぷ。」
炭酸水を飲んだヒツジさんたちは、いっせいにゲップを出しはじめました。
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- するとブラックリーフェルは、袋を持って、ヒツジさんたちの上を飛び回りはじめました。
「何をやってるんだろう?」
そのときです。
「あれれ? 色が変わっちゃったよ。」
「なにをしているのか、ブラックリーフェルに聞いてみよう。」
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- リーフェルたちはブラックリーフェルの所へとんで行きました。
「ブラックリーフェル、なにをしてるの?」
「また、おまえらか! いいか、ヒツジのゲップにはメタンガスがふくまれてるんだ。
このメタンガスを燃料にして、発電するんだ! どうだ、すごいだろう!」
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- 「炭酸水を飲んで出たゲップなのだから、そのゲップは二酸化炭素だよ。※」
「えっ? このゲップはメタンガスじゃないのか?
じゃあ、発電できないじゃないか?!」
「ブラックリーフェルだいじょうぶ?」
※ヒツジなど4つの胃を持つ動物は、草を食べて消化する時にメタンガスをふくんだゲップを出します。
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- 「はい、サングラス、かえすよ。もうヒツジさんを利用しちゃだめだよ。」
「ふん! クロクロベー!」
「あ、サングラスありがとな!」
「炭酸水のビンも、ちゃんと持ってかえってね。」
「わかったよ、クロクロベー!」
「あれれ? からだの色がもどった!?」
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…第十五話へつづく