リーフェルものがたり 第5話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森を出たリーフェル・ブルーたちは、木立ちに囲まれた湖を見つけました。
「あの緑の湖で色が変わったんだ。」
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- あの日、空から緑色をした湖が見えた。
「緑の湖なんて、めずらしいなあ!」
湖に降りてみると、湖面が藻におおわれていたんだ。
「湖からとってもいやなにおいがする…。
魚たちの影も見えないし、この湖は、どうしちゃったんだろう?」
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- そして、藻の無いところに動物たちが集まっていた。
「ここはみんなの水飲み場。今ではここの水だけが飲めるんだ。」
「緑色の水は、具合いが悪くなっちゃうから飲めないんだよ。」
「前は湖すべてが水飲み場だったのに…。」
水中から魚くんも顔を出していったよ。
「水の中はとっても息苦しいんだ。仲間もへってしまった。」
「あれ、どうしたの? 色が変わっちゃったよ?」
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- ふたたび湖を訪れたリーフェルたち。
湖の藻は前より広がっていました。
「この水飲み場も無くなっちゃう…。」
「どうすればいいの?」
動物たちは困りはてています。
「湖になにが起こっているんだろう?」
リーフェルたちは水中をさぐってみることにしました。
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- 湖の中は暗くて、生き物の気配がありません。
深くもぐると、大きなナマズさんが現れました。
「わしはこの湖に長く住んでいるナマズじゃ。
この湖は、川からくる水でできているんじゃよ。
それが大きな嵐の後、水が来なくなってしまった。
今では藻が湖面をおおって、水中は暗く、いきぐるしいくなってしまったんじゃ。」
そこへビーバーくんがあらわれていいました。
「ねえ大変! 川がなくなっている!」
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- ビーバーくんに案内されて、リーフェルたちは湖に流れる川を見にいきました。
しかしそこは、大きな岩と倒れた木が。
「嵐のときに山がくずれて、ここの川が埋まってしまったんだ。
この川の先にボクらのおうちがあるんだけど、水が流れないから川幅がひろがって困っているんだ。」
「森のみんなも困っているんだよ。」
「ようし、みんなで川が流れるようにしようよ!」
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- ビーバー一家は倒れた木をかじって短くし、その木をリーフェルと森のみんなで運びます。
くまさんは大きな岩を運びだし、ヘラジカくんが平たいツノで土をかき出しました。
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- みんなで力を合わせてがんばったおかげで、川は湖とつながり、新しい水が流れてきました。
水は湖を満たし、ゆっくりと対岸にある川へと流れだします。
水面の藻も流れ、移動していきました。
そのときです。
あれ? いま、いっしゅんグリーンにもどらなかった?
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- ほんの少しのあいだだけでしたが、リーフェル・ブルーの色がグリーンに変わりました。
湖が元の姿にもどるよう、がんばったからでしょうか?
「長老の木にこのことを知らせよう!」
リーフェルたちは飛び立っていきました。
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- 森にもどったリーフェルたちは、湖でのできごとを長老の木にはなしました。
「ふむふむ、色がかわったことは、水の変化に関係があるらしい。
間もなくピンクに変わったリーフェルももどるじゃろう。
そのはなしも聞いてみよう。」
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…第六話につづく