リーフェルものがたり 第13話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森を出たリーフェルとちびリーフェルは、シベリアにやってきました。
「わあ、あの白いのはなに?」
「雪っていうんだよ。近くにいってみようか?」
「うん! いくいく!」
雪の大地へおりていきました。
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- 地面におりてみると、そこは雪と氷でできた氷河でした。
「わあ、雪ってつめたいんだね。」
「ここは、ずうっと昔から雪がとけず、こおってできた氷河なんだよ。」
「氷河っていうんだ。ねえ、すべり台にしてあそぼうよ。」
「楽しそうだね、よーし!」
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- 「わーい! すべる、すべる! 楽しいね。」
そのときです。
「あわわわ!」ちびリーフェルが何かにひっかかった?!
「だいじょうぶ?」
「みてみて! 氷河からなにか出ているよ!」
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- 「これは、ずうっと昔にいたマンモスさんの牙だ。」
「マンモスさんってなに?」
「ずうっと昔、地球にいたんだ。とても大きくて、背中に乗せてもらったこともあるよ。」
「大きなマンモスさんが、どうして氷河の中にいるんだろう?」
「うーん、どうしてだろう? 長老の木に聞いてみよう。」
こうしてリーフェルとちびリーフェルは、森にもどることにしました。
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- 長老の木に戻ってきたリーフェルとちびリーフェルは、マンモスの牙をみつけたことをはなしました。
「マンモスは大昔にできた氷河にとじ込められてしまったんじゃな。」
「どうしてマンモスは、氷河にとじ込められてしまったの?」
「それは、大昔の地球のでこごとによるんじゃ。」
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- 「マンモスは500万年前にアフリカの大地に生まれたんじゃ。
大きな体のマンモスは、たくさんの草を食べなくちゃいかん。だから草のある大地を求めて、何万年という長い時をかけながら、少しずつ、陸地を移動していったんじゃ。
アフリカからヨーロッパへ、そこからアジアへ、そしてシベリアへ、最後は北アメリカまで、地球を移動したんじゃよ。
大昔は海面が低く、陸地はつながっていたからな。」
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- 地球の環境は、長い時の中で変わっていくんじゃが、5万年前からおきた気候の変化によってマンモスをはじめとした、たくさんの動物・植物は、1万年前に絶滅していった… といわれているんじゃよ。※
※マンモス絶滅については複数説があり、いまだ解明はされていません。
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- 「マンモスがいたシベリアでは、きびしい寒さが続くようになり、大地は0度以下に凍りつき、雪はとけずに氷となり、氷河になっていったんじゃ。
マンモスたちは、その氷河の下にねむっているんじゃ。
リーフェルたちは、そうしたマンモスの牙をみつけたんじゃな。」
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- リーフェルとちびリーフェルは、長老の木が語るマンモスのおはなしを、静かに聞いていました。
「マンモスさんは地球の変化についていけなくなったんだね。」
「マンモスさんと、あそびたかったな。」
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- 「地球は、長い時間の中で変化していってるんじゃよ。
それは今も同じなんじゃ。」
「マンモスさんのように、悲しいことにならないようにしたいな。」
氷の中からマンモスはメッセージを送ってきているのかもしれません。
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…第十四話へつづく