リーフェルものがたり 第6話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森を出たリーフェル・ピンクたちは、木の上のお家を見つけました。
「あそこで色が変わったんだ。」
リーフェル・ピンクはいいました。
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- あの日、夕方になって、ねむくなっちゃったんだ。
そこで休めるところをさがしていると、ナマケモノくんに声をかけられたよ。
「やあ、うちで休んでいかないかい?」
「いいの? じゃあ、おじゃましようかな。」
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- 「おかげでぐっすりねむれたよ。ありがとう。」
「おめざめに、朝つゆを集めたお水はいかが?」
「とってもおいしい。」
「それはよかった。」
ナマケモノくんは柱からおりると、お皿やテーブルクロスをふくろに入れて、ポイッととなりの部屋に投げこんだんだ。
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- 袋が投げこまれた部屋をリーフェルがのぞくと、いろいろなものがあふれていた。
「これどうしたの?!」
「ガラクタさ。いらなくなったら捨てるんだ。さっきのお皿やクロスも洗うのがめんどうだから、捨てちゃうんだ。」
「どれもまだ、使えそうに見えるけどなあ…。」
「あれれ! 色が変わっちゃったよ。」
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- リーフェルたちが、ふたたびナマケモノくんを訪ねると、とうとうお家の外まで、ガラクタがあふれていました。
「どんどん捨てていたら、家におさまらなくなっちゃった。」
ナマケモノくんは困り顔です。
そこへアライグマさんがやってきて、いいました。
「このカップもらっていい?」
「ええ! このガラクタがほしいのかい?」
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- 「洗えば元通りよ。くれるなら、他も洗ってあげる。」
「それは助かるなあ。そこのふくろにお皿が入っているはず。」
リーフェルたちがふくろをひろげると、食器といっしょに、木の実の皮がたくさん出てきました。
すると落ち葉の中から虫くんが顔を出し、いいました。
「その木の実の皮、落ち葉に混ぜてくれない?
ぼくたち虫にはごちそうだ、全部食べちゃうよ。」
「落ち葉と混ぜればいいの? それならぼくにもできるぞ。」
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- そこに、ワタボウシタマリンくんが木から下りてきました。
「このランプもらっていいかい? ガラスをみがけば使えるよ。」
「このガラクタを使えるようにできるの?」
「よく見てごらんよ。この時計はネジを巻けばいいんだ。
この机はクギを1本打つだけでグラつかなくなる。やってあげようか?」
「すごいなあ、ぜひお願いするよ。」
ワタボウシタマリンくんは、ガラクタだと思っていたものを器用に修理していきます。
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- ガラクタは、きれいに洗われ、修理されて、並べられました。
それを見た森の動物たちは、木の実やお花を手に集まってきました。
「ねえねえ、これと、とりかえっこしよう?」
ガラクタだったものは、たちまち無くなりました。
そのとき…
いま、いっしゅん、グリーンにもどらなかった?
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- ほんの少しのあいだでしたが、リーフェル・ピンクの色がグリーンに変わりました。
ガラクタにせずに、みんなで分け合えるようにがんばったからでしょうか?
「長老の木に、このことを知らせよう!」
リーフェルたちは旅立っていきました。
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- 森のもどったリーフェルたちは、南の森でのできごとを長老の木にはなしました。
「ふむふむ、色が変わったことは、ものの使い方にも関係があるらしい。
これでリーフェルたちはみんなもどってきたか。
しかし、リーフェルの色はまだもどらんようじゃな。
他にも原因があるのかもしれん。
みんなでつきとめてくれんかのう。
いやな予感があたらんといいのじゃが…。」
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…第七話につづく