リーフェルものがたり 第9話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森をあるいているリーフェル。
…あれあれ? リーフェルがなんだかおかしい?
「うーん、いろいろなことが感じられなくなったみたい…。」
「くすん…これも、あたまの葉っぱがなくなっちゃったからだ…。」
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- ある日、木の下で休んでいて、ねむっちゃったんだ。
すると夢の中で、はなし声が聞こえたよ。
「お腹がすいたなあ。あっ、おいしそうな葉っぱだ! いただきまーす!」むしゃむしゃ…。
…あたまがムズムズしてきて、目が覚めたんだ。
「うーん、いやな夢だった。顔を洗ってスッキリしよう。」
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- リーフェルが顔を洗おうと水面をのぞくと…
「葉っぱが食べられている!!!」
そこへイモムシくんがやってきました。
「やあ、葉っぱをごちそうさま。」
「イモムシくんが食べちゃったの? そんなあ!エーン!エーン!」
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- リーフェルはこうして、片方の葉っぱをなくしてしまったのです。
森を歩くと、たくさんのガラクタが積み上げられているところに出ました。
「捨てられている? 使えそうなものもあるのに…。」
あれ? いま、いっしゅん、からだの色が変わったよ。
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- 森を進んでいくと、黒いけむりがモクモクと立ち上がっているのがみえました。
「ゴホゴホ! 森の中でけむりが?!」
あれれ? また、いっしゅん、からだの色が変わったよ。
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- さらに森を進むと、湖にでました。
「向こうに行くには、とぶしかないないなあ。」
湖の上をフラフラと風にのって、とんでいくリーフェル。
「水面が緑色だ。なんだかいやなにおいもするぞ。」
あれれれ? やっぱり、からだの色が変わったよ。
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- 「うーん、葉っぱがないとへんなことばかり。」
そこへ、チョウがとんできました。
「こんにちは、リーフェル。」
「なぜ名前を知っているの? はじめて会うのに」
「ボクは、あなたの葉っぱを食べたイモムシだよ。」
「ええ!!! あのときのイモムシくん?!」
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- 「チョウになってすぐに、リーフェルが困っているって、わかったの。これは、リーフェルの葉っぱを食べたからだと思うよ。」
「そんなことがあるんだね、不思議だなあ。」
「葉っぱがないと、いろいろ感じられないみたいだね。」
「そう、なんだかおかしいんだ。」
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- 「リーフェルの森に帰りたいよ。でも、迷子になっちゃって、わからないんだ。」
「ボクは、長老の木を感じることができるんだ。森はあっちだよ。」
「のって。送ってあげる。」
「ほんとう? ありがとう!」
リーフェルは体を小さくしてチョウにのり、長老の木へと旅立ちました。
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- リーフェルは長老の木にもどってきました。
「チョウさん、ありがとう。ひと休みするよ。」
リーフェルは長老の木の葉っぱへ、もどっていきました。
「おやすみ、リーフェル。またね。」
「おやおや、リーフェルの葉っぱを食べたチョウは、リーフェルの気持ちがわかるようになったようじゃな。これはよい仲間ができたな。」
長老の木はうれしそうにいいました。
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…第十話へつづく