リーフェルものがたり 第4話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- いつもは、リーフェルたちといっしょにとびたつ、ちびリーフェル。
今日は長老の木にたのまれて森の見まわりです。
「森のようすを見てきておくれ、ちびリーフェル。」
「はい! いってきまーす。」
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- 森をすすんでいくと、たくさんの仲間にあいました。
きれいな水が大好きなオニヤンマくん。
仲の良いアナグマ親子。
水辺にはサンショウウオさん、クヌギの芽の前には、ドングリが実るのを待ちきれないリスさんもいます。
「わあー気持ちがいい森だなあ! ねぇあそぼうよ!」
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- ちびリーフェルはあそんでいるうちに、はじめて見る森にまよいこんでしまいました。
「あれ? こんな森があったんだ。」
細い木ばかりがきゅうくつにならんでいて、お日さまはほとんど差しません。
さっきの森にいた仲間も、この森にはいません。
暗い森なのです。
ちびリーフェルは心細くなりました。
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- そこへオニヤンマくんがとんできて、いいました。
「ねえ、水辺に落ち葉がたまって水が流れないから、にごっちゃったよ。」
リスさんもやってきて、いいました。
「ここは、ドングリがすごく少ないの…。」
「同じ森なのに、どうしてこんなにちがうんだろう? 長老の木にほうこくしなくちゃ。」
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- ちびリーフェルは長老の木に見たことをはなしました。
「同じ森なのに、どうしてこんなにちがうの?」
「よいことに気づいたようじゃな。明るい森は、里山といって、手入れがされている森なんじゃよ。」
ちびリーフェルは、オニヤンマくんとリスさんから聞いたことを思い出しました。
「手入れをしたら、明るい森になって、森の仲間も増えるのかな?」
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- 倒れた木が、まわりの木に寄りかかり、日をさえぎって、木が弱っているのを思い出します。
「そうか! 木が多すぎるから、大地にお日さまがあたらないんだ。」
でも…、森の手入れは、1人ではとても無理です。
「そうだ! みんな! お願い、手伝って!」
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- かたむいた木をかじってたおすムササビくんを、リスさんとヤマネさんが手伝います。
水辺の落ち葉は、ちびリーフェルとアナグマ親子が集めました。
すると森にお日さまの光が差しはじめ、水はさらさらと流れて、にごりはなくなりました。
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- こうして、暗い森は明るい森になり、仲間たちがやってきました。
「スイスイとんだあとに、きれいな水で休めるよ。」
とごきげんなオニヤンマくん。
リスさんはドングリを土にうめ、芽がでるのを楽しみにしています。
この日から、ちびリーフェルは明るい森がつづくよう、森のお世話をはじめました。
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- 「暗い森が明るくなって、新しい仲間も増えたよ。」
ちびリーフェルは長老の木にはなしました。
「森が元気になって、たくさんの動物が暮らせるようになったようじゃな。」
長老の木はうれしそうにうなずきました。
そこへ、リーフェル・ブルーが戻ってきました。
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…第五話につづく