リーフェルものがたり 第3話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森を出たリーフェル・イエローたちはひろいひろい砂漠をとんでいました。
なにもないところにポツンとお家が建っています。
「あの家で体の色が黄色になったんだ。」
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- はじめてあの家をたずねたとき・・・
陽気なチャクワラくんがむかえいれてくれた。
「オーラ!きみ、どこから来たの? 砂漠をとんできたの? 暑かったでしょう。」
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- 「ここは昼暑くて、夜すずしいんだ。でも、家のなかはクーラーのおかげでいつもすずしいよ。」
チャクワラくんはとくいそうにいったよ。
「とってもすずしいね。砂漠のまん中でも電気がたくさんつかえるんだね。」
「電線をつかって遠くから電気が送られてくるからね。」
「ブルブル・・・なんだか寒くなってきたなあ・・・」
「あれあれれ、色が変わっちゃった、なんでだとう。」
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- ふたたび訪ねてきたリーフェルをチャクワラくんはよろこんで、むかえいれてくれました。
「ふ~ん、どうして色が変わったのか調べるためにふたたび来たというわけか。」チャクワラくんはいいました。
「きみののくらしは、リーフェルのくらしとずいぶんちがうんだ。リーフェルたちは森があればくらしていける。日なたぼっこをするだけで力がわいてくるんだ。」
「太陽の光でくらせるなんて、すごいね!」
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- あたりが暗くなってくるとサボテンさんがいいました。
「わたしも太陽の光でくらしているのよ。でも砂漠ではいろいろと工夫がひつようなの。あつい昼間にたくさんの光をあびて夜すずしくなってから口を開いて活動しているの。」
「砂漠のみんなも太陽の光でくらしているんだね。」
リーフェルとチャクワラくんは感心しました。
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- 「ほら見て! 暗くなったけど、電気のおかげで明るいよ!」
チャクワラくんは、とくいそうにいいました。
「でも空の星がぜんぜん見えない。そうだ! この電気、消してみようよ。」
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- 「うわーきれいな星空だ。」
「あれ、サボテンさん、夜になると花が開くんだね。」
「ぼく全然気がつかなかったよ。」
そのとき・・・
あれ? いま、いっしゅんグリーンにもどらなかった?
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- ほんの少しのあいだだけでしたが
リーフェル・イエローの色がグリーンに変わりました。
家のまわりの電気を消したことで砂漠の夜がこんなにも美しいということを知ることができたからでしょうか?
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- 「きみにまた会えてよかったよ。」
リーフェルはチャクワラくんと友情を確認しあい長老の木のもとへ、ふたたび旅立っていきました。
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- 森にもどったリーフェルたちは砂漠であったことを長老の木にはなしました。
「ふむふむ、色が変わったことはエネルギーの使い方にも関係があるらしい。少しずつ、てがかりが見えてきた。別のリーフェルも間もなく戻ってくるだろう」
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…第四話につづく