リーフェルものがたり 第12話
リーフェルものがたりの はじまり、はじまり…
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- 森を出たリーフェルたちは、大きな大きな川の上をとんでいました。
「海のように大きな川だね。」
「ここはアマゾン川だよ。」
「あれ? 川の半分が白い川、もう半分が黒い川になっている。」
「川の近くにいってみよう。」
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- 「すごいなあ、まるでコーヒーにミルクを入れたときみたい。」
そのときです。
「あれ、いま、いっしゅんブルーになったよ。」
「でもブルーに変わらなかった。川の水が汚れてるんじゃないんだね。」
「もしかしてブラックリーフェルがイタズラしてるんじゃない?」
「白い川の上流にいってみよう。」
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- 上流へ向かうとちゅう、大きい葉っぱがたくさん浮かんでいる場所がありました。
「この葉っぱはオオオニバスっていうんだよ。」
「あっ! ブラックリーフェルが日向ぼっこしてる!」
「ねえ、川がミルクみたいに白いのはきみが何かやったの?!」
「知らない。わたしはやってない。」
「本当かなあ?」「もっと上流に行ってみよう!」
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- リーフェルたちは上流に向かってぐんぐん飛んでいきます。
「大きな川だなあ、どこまで続くんだろう。」
「動物たちが、いっぱいいるね。」
「どうして川が白いのか、動物たちに聞いてみよう。」
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- リーフェルたちは途中で出会った動物たちに聞きました。
「ピラニアくん、この川はなんで白くなっちゃったか知ってる?」
「ものしりのカピバラ村長にきいてみたら?」
[アナコンダくん、川がなんで白くなっちゃったか知ってる?]
「カピバラ村長なら知っているんじゃないかな」
こうしてリーフェルたちはカピバラ村長の所に行くことにしました。
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- 水浴びをしているカピバラの群れの中にカピバラ村長はいました。
「カピバラ村長、ブラックリーフェルがなにかイタズラしなかった?」
「むむ、なにもないわい。あの者はずーっとハスの上で昼寝をしていたカピ」
「じゃあ、なぜ川は白い色をしているの?」
「古代から、川はこの色だカピ」
「ええっ?! そうなんだ。ブラックリーフェルのイタズラじゃなかったんだね。」
「ブラックリーフェルはイタズラばかりしている訳ではない。最初から疑ってかかってはいかんカピ。」
「そうだね、あやまりに行こう!」
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- 「ブラックリーフェルごめんね。」
「キミのイタズラじゃなかったんだね。」
「だからやってないと言っただろ! まったく!」
「ブクブクブク! あっおぼれる!」
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- 「あれれ、ブラックリーフェルは泳げないんじゃない?!」
「カナズチなんだ! 助けなきゃ!」
「うわーん! せっかく日向ぼっこしてたのに、ずぶぬれだあ!」
「よくもやってくれたな! 今度はそんでもないイタズラをしてやる!!
覚えていろよ~!!! クロクロクロベエ!!」
ブラックリーフェルは姿を消しました。
「あれ? サングラスをわすれていっちゃった。」
「疑ったおわびに、とどけてあげよう。」
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- 「ブラックリーフェルには疑ってひどいことしちゃったなあ。」
「今度会ったら、ちゃんとあやまるカピ」
「うん、そうするね。」
「それがいい。それで川が白いナゾはとけたカピ?」
「ううん、おしえてください。」
「アンデス山脈の岩石や地層をけずりながら水が流れて、この白い川になったカピ。
このアマゾン川にまた来るカピ。」
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- リーフェルたちの色がいっしゅん変わったのは、自然界の現象に反応したからでした。
「自然にはふしぎなことがあるんだね。」
リーフェルたちはまたどこかに飛んでいきました。
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…第十三話へつづく