HRCは、1982年の設立時から2021年までは
二輪のレース活動を中心に行ってきた。
その間に同社が送り出してきた
レーシングバイクは数知れない。
それらの中でも、
特にエポックメイキングな存在として
人々の記憶に残されているマシンを取り上げ、
その開発やレース活動に傾けられたホンダマンたちの
情熱に触れていく。

vol02

Honda NSR500 [NV0A]

1984 GP500ワークスロードレーサー

世界選手権ロードレース最高峰クラスのライダーズタイトルを1983年に初めて獲得したホンダは、翌1984年にマシンを刷新した。それは新開発の2ストローク・V型4気筒エンジンを搭載し、燃料タンクをエンジンの下に配置するという独創的な車体レイアウトを採った。それが初代NSR500(開発記号[NV0A])である――

NSからNSRへ

4気筒へのスイッチ

「エンジンだけでなく、車体にも新技術を」

1984 NSR500の
技術仕様

独創の上下逆転レイアウト

唯一無二の車体構成を採った初代NSR500

1984 NSR500の
レース

初代NSRが見せた速さと弱点

1シーズンで計4勝。しかし、ひと筋縄ではいかず

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vol01

Honda NS500

1982-83 GP500ワークスロードレーサー

特徴的なV型3気筒エンジンを搭載したNS500は、苦難の連続であった長円形ピストン車のNR500で得た知見と、モトクロッサー由来の2ストローク技術を結集して短期間で作り上げられ、ホンダに初のロードレース最高峰クラス個人タイトルをもたらした

RACERS について

「いま振り返る往年のレーシングマシン」を編集テーマに、
2009年に創刊。毎号時代を彩ったマシンを取り上げ、
それに搭載された技術、
それでレースを戦った人たちに焦点を当てている。
なお、このコンテンツ『RACERS -Honda二輪レーシングマシン列伝-』は、『RACERS』各号を元に改編。
創刊後これまでの取材で得た情報も加味し制作している。