いろんな昆虫たちの飛び方をスローで撮影したら、
飛び方の違いやさまざまな習性がよく分かりました!
夏休みです。今年は早くから暑さが始まり、各地で猛暑日が続く過酷な夏になっています。熱中症には十分気を付けて、小まめに水分を補給しながら遊ぶなど、せっかくの夏休みを元気に楽しく過ごせるようにしましょう。
ちゃんと見たことがない虫たちの「飛び立つ瞬間」
さて、夏はいろいろな種類の虫たちが成虫になって活発に活動する季節です。ちょっと街の中を歩いてみるだけでも、気を付けて周りを見回せば、実に多くの虫たちが空中を飛び回っているのが分かります。そこで今回注目したのは、虫たちの飛び方について。いろいろな虫たちがハネを広げて飛び立つ瞬間をカメラでスロー撮影してみたら、肉眼で見るだけでは分からない虫たちの飛び方の特徴が観察できましたよ。
- コアオハナムグリ
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冒頭に掲載している動画の最初に出てくる虫は「コアオハナムグリ」です。コガネムシ科の昆虫で、前翅(まえばね)をうっすら開いて、中に折りたたまれた後ろ翅を開いて外に出して、後ろ翅だけで飛びます。
- カナブン
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次に出てくるのが「カナブン」、こちらもコガネムシ科の昆虫です。とても身軽に素早く飛び立ち、後ろ翅だけを使いジェット機のように飛び回ります。
- カワトンボ
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次は「カワトンボ」。体の重心を動かさず、4枚の翅(はね)をバラバラに動かして優雅に飛びます。
- ミズカマキリ
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見た目がカマキリに似ているので「ミズカマキリ」と名付けられましたが、水生カメムシ類の一種でカマキリとは全く別の仲間です。飛ぶときは、体を軽くするために体の水分を落としてから飛びます。前足が邪魔にならないように工夫したポーズでの飛び方です。
ほかにもいっぱい! 昆虫たちが飛び立つシーン
- ノコギリクワガタ
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子どもたちに大人気の「ノコギリクワガタ」は、ハネを開いて飛び経つまでにしばらく間があります。「いくぞ!」と気合を入れて態勢を整えているように見えます。
- ハイイロゲンゴロウ
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田んぼ、水溜まり、池、屋外のプールなど日本のあらゆる水の中で生活しているのが「ハイイロゲンゴロウ」です。通常、水生昆虫は飛び立つ前に身体を乾かしますが、この虫は水面に出た瞬間から自由に飛び立つことができます。
- ゴマダラカミキリ
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長い触角が特徴のカミキリムシ。生木をエサにするので都市部の街路樹や公園樹木でもよく見かける昆虫です。飛び立つ前に触角を回すように動かし、周りに何もないかを確認する習性があります。
- ヤマトタマムシ
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タマムシの中でも大型で最も美しいと言われる「ヤマトタマムシ」。広げたハネをよく見ると、多くの甲虫の後ろ翅(下のハネ)は前翅(上のハネ)に比べて長いのに対し、ヤマトタマムシは後ろ翅と前翅はほぼ同じ長さなのが分かります。
特徴的な飛び方をする昆虫たち
- キアゲハの求愛シーン
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「キアゲハ」の求愛は飛行中に行なわれます。オスが自分をアピールしながらメスの前で飛びます。普段の飛び方とは違って、踊るように飛び回るのが特徴です。
- オニヤンマのホバリング
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「オニヤンマ」はトンボの中でも抜群の飛行能力を持っています。じっと空中に静止するように飛ぶ(ホバリング)のはもちろん、トンボで唯一バックすることができます。
虫を見つけたらすぐに捕まえたりせず、どんな飛び方をするのか、どんな行動を見せるのか、少し観察してみると新しい発見があって虫に対する見方が変わります。そしてその際、スマホなどがあれば撮影してみるのも面白いですよ。