暑い日が続いてますが、みなさんバテてないですか? 夏から秋にかけて、虫たちは活発に動き回ります。私たちにとっては、いろんな虫に出会えるチャンスの多い季節と言えます。でも、いざ虫たちを探そうとすると、なかなか見つからなかったりするのはなぜでしょう? それは、虫たちが他の生きものや植物などに「擬態」していることが多いから。今回は、そんな虫たちの擬態についてご紹介します。
動物や昆虫、魚などの中には、他の生きものから捕食されるのを防いだり、また逆に他の生きものを捕食しやすくするために、自分の身体の色や形を周囲の植物や他の生きものなどに似せて、存在を分かりにくくしているモノがいます。このように、生きものが自分を他のモノに似せることを「擬態」と言います。
木の枝に擬態した「ナナフシ」
丸まった落ち葉に擬態する「ムラサキシャチホコ」
こんなガが森の地面の落ち葉に紛れていたら、絶対見つかりません。ちなみに落ち葉に紛れた写真を載せておきますが、どこにいるか分かりますか?
ムラサキシャチホコがどれだか分かりますか?
実はここにいました。
本物のスズメバチ
本物のアシナガバチ
ハチに擬態した「フトハチモドキバエ」:主に四国、九州に分布するハエの仲間
ハチに擬態した「スズキナガハナアブ」:日本中に分布するアブの仲間
ハチに擬態した「セスジスカシバ」:スカシバガ科のガの仲間
ハチに擬態した「ヨツスジトラカミキリ」:縞模様が特徴のトラカミキリの1種
ガやチョウは、擬態する種類が多い昆虫です。それは成虫だけでなく幼虫のときも同じで、いろいろと工夫を凝らしてさまざまなモノに擬態する様子を見ることができます。
翅で眼に擬態する「クスサン」:ヤママユガ科の一種で開帳10cmになる大型のガ
翅で眼に擬態する「ヤママユ」:ヤママユガ科の一種で「テンサン(天蚕)」と呼ばれることも。
ヘビに擬態する「シンジュサン」:ヤママユガ科の一種で開帳14~16cm。囲み部分がヘビの頭
眼を開き横を向いたヘビの頭に見えます。これを見ると鳥たちも近寄りません。
「ウラギンシジミ」の幼虫
クズの花と、囲み部分がウラギンシジミの幼虫
枯れた花を体につけ花に溶け込む「クロモンアオシャク」の幼虫
花飾りを取り除いた本当の姿はこの通り。
「クワコ」の幼虫。一般的なイモムシとは全く違う外観です。
「ムシクソハムシ」の幼虫は、鳥ではなく虫のフンに擬態します。
クモの仲間の中にも、他のモノに擬態する種類が多く見られます。ここでは特徴的な2種類のクモの擬態をご紹介します。
アリに擬態する「アリグモ」の仲間
ゴミを集めてゴミに擬態する「ゴミグモ」
白い囲みが隠れ帯で、赤い囲みがゴミに擬態した「ゴミグモ」
いかがだったでしょうか? 自然界で生きていくのは大変なんだということがよく分かりますね。しかしここで紹介した擬態は、ほんの一部にすぎません。今回は昆虫が中心でしたが、魚や植物・爬虫類・動物など地球上に生きている生きもので擬態しているものはたくさんいます。なぜ?なに?などと考えながら、擬態している生きものを自分で探してみると、より楽しい自然観察になるでしょう。ぜひ外に出て自然界で探してみてください。
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