田んぼや水路の水の中にいるドジョウは、もちろん魚の仲間です。しかし不思議なことに、冬になって田んぼの水が無くなってもドジョウはちゃんとそこで冬を過ごし、春のなってまた水が戻ってくるのを待つんです。今回は、そんな水の無い田んぼで生きるドジョウのなぜ?なに? についてお届けします。
田んぼや水路には様々な生き物が生息していますが、その代表格と言えるのがドジョウです。ところで、秋になり稲刈りが始まる少し前になると、田んぼや水路の水は無くなってしまいますが、そこにいたドジョウたちはどうなってしまうのでしょう? 実は、ドジョウたちは水が無くなると土に潜って、翌年春に田んぼが始まり水がまた流れるまで寝て過すのです。だから、秋や冬に水の無くなった田んぼの土を掘り返すと、越冬するドジョウを見つけることができます。
稲刈りも終わり、水が無くなった田んぼ。三角に組んだ積み稲わらが所々で見られるようになると、秋の訪れを感じますね。
そんな田んぼの土の湿ったところを、スコップで掘り返してみましょう。
湿った層の土の中からドジョウが出てきます。ドジョウは普通の魚と違い皮膚呼吸ができるので、土の中で呼吸できるのです。
湿った場所から出てきたドジョウ。集団でいることが多いのは、最後まで水が干からびていないところで残されてから土に潜るから。土から掘り出すとクネクネと動き出します。
えっ!
ドジョウって「おなら」するの?!
ドジョウは空気を腸に貯めることもできるものすごい魚です。普通の魚は口で吸ってもエラからすぐに出してしまいますが、ドジョウは空気を吸いに水面に上がり、余った空気をお尻の穴からポコポコと出します。小さな入れ物にたくさんのドジョウを入れるとその様子が見られます。酸欠になり、口で直接空気を吸うからです。
水の無くなった田んぼや水路で冬を越す水生生物は、ドジョウだけではありません。カエルやタニシ、ザリガニなども湿った土の中に潜って、翌年春にまた田んぼが始まって水が戻ってくるまで、じっと寝て過ごします。
ザリガニ
タニシ
どうですか? すっかり生きものの気配が無くなる秋・冬の田んぼにも、実は土の中でじっと春を待つ生きものたちがたくましく生息しているんです。みなさんも、稲刈りの終わった秋・冬の田んぼで、ちょっと土を掘り返してみませんか?
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへハローウッズには「ハッチョウトンボの棚田」と呼ばれる棚田があり、秋には稲刈り体験プログラムも行われます。
また、稲刈り後の田んぼは多くの生きものたちの冬越しの場となっており、それを求めて野鳥たちもやってきます。「ハッチョウトンボの棚田」をあなたもぜひ見に来ませんか?
ハローウッズ「フィールド紹介」ページへ