ハローウッズの事務所付近やウッドデッキには、コナラの実やクヌギの実が枝ごと落ちているのを目にします。周りを見ると、かなりの数のまだ青いドングリが落ちているのが分かります。通常、木の実は青いうちには落ちませんから、誰かが落としたことになります。犯人はいったい誰なのでしょう?
落とされたドングリを調べて見ると、帽子の上から小さな穴が開けられています。
帽子を外してみると、中の青いドングリにも穴が貫通しています。
このドングリの穴が気になったので割って見ると、中から小さな卵が出て来ました。何かが穴を開けてそこへ卵を産んだようです。
この卵がかえると小さなイモムシになります。通称ドングリ虫です。
ドングリ虫の正体は「ハイイロチョッキリ」です。 甲虫目オトシブミ科チョッキリ亜科の昆虫で、成虫は体長7~9mm。本州、四国、九州に広く分布し、雑木林のコナラ、クヌギでよく見ることができます。それでは、ハイイロチョッキリの産卵の様子を見てみましょう!
まず、ドングリの上でぐるぐると歩き回り産卵する場所を選びます。
いい場所が決まると、長いくちばしでドングリに穴を開けます。
穴に産卵管を差し込み、ドングリに卵を産みつけます。
産卵が無事に終わると、卵を産んだドングリのついた枝をくちばしで落とします。
これは、他の虫からとられないためだと思われます。地上に落ちたドングリは、やがて中の卵が孵化し、幼虫が生まれます。幼虫はドングリの中身を食べ成長し、まるまると育つと、外に出て地面に潜り、蛹に、そして最後は成虫になります。
ハイイロチョッキリはクヌギやコナラに卵を産み付けますが、他にもいろいろな仲間が木の実に産卵しています。
クヌギやコナラやカシ類に産卵する8mmくらいのゾウムシ。
クヌギやコナラなどに産卵する虫ですが、ハイイロチョッキリとは違いドングリを落としません。
エゴの実に穴を開け産卵する。オスは異常に目が離れていて面白い顔をしています。
エゴの実に産卵します。黒い体に白いライン他のシギゾウムシに比べやや小さいのが特徴です。
木の実の中に産卵するシギゾウムシ。幼虫は地中で蛹になり、やがて成虫になり地上に飛び出ます。ハイイロチョッキリは他のシギゾウムシなどに産卵させないために実を地上に落とす習性を身につけたと思われます。里山や雑木林・公園などに出かけ、落とされたドングリを見つけたら、ゾウムシがいるか探してみましょう。
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