「止まる」「見せる」「見る」の3ステップ 見通しの悪い交差点の安全な進み方

見通しの悪い交差点の安全な進み方 「止まる」「見せる」「見る」の3ステップ

交通事故が発生しやすい代表的な場面のひとつ、「見通しの悪い交差点」。
植え込みや塀、あるいは交差点の角度そのものによる場合など、その形態は様々だが、安全に進むテクニックとして「見せる」ことを意識してみたい。

相手の視点になれば進み方が見えてくる

「見通しの悪い交差点」は運転者にとって緊張を強いられるシチュエーションです。クルマだけでなく、バイク、歩行者など、死角から何が飛び出してくるかわかりません。そこで、交差する交通を確認すべく運転者は前方に乗り出しながらソロリソロリと進む、というのが一般的ではないでしょうか。

しかし視点を変えて「見せる」そして「見られる」交差点の進入を考えてみましょう。特にクルマの場合、ボンネットがあり、運転席から交差点内の他車を目視するよりも、早い段階で他車から「見られている」、つまり自車を「見せる」ことができるのです。

これは多くの場合、ソロリソロリと交差点内に進入する時に副産物的に実践できていることではありますが、敢えて「見せる」ことを意識した「多段階停止」による交差点への進入。この有効性について考えてみます。

「見る」前に、まずは「見せる」ことを考える

右からのバイク

右からのバイク 交差点に進入する際、特に死角に入りやすい右からの交通は目視しにくい。最初からクルマの先端部を交差点内に出し過ぎると、ドライバー・ライダーがそれを避けて対向車側に膨らむという二次的な危険も誘発しやすい。

左からの自転車

左からの自転車 交差する車両が通り過ぎ、交差点に進入した際、さらに左側から自転車が交差点に進入してくる可能性も。クルマよりも小さく目視しにくいことに加え、意外とスピードが出ている自転車には注意が必要。

左からの歩行者

左からの歩行者 歩行者の中でも体格が小さいこどもはドライバーとしては見落としやすい対象。さらに歩行者は右側通行が基本ルールであるため、ドライバーから見て死角となりやすい左脇の歩道にいることが多い。

「多段階停止」は安全だけでなく「安心感」も生み出す

1st停止 止まる

1st停止 止まる1st停止 止まる 1段階目の停止は、法規に則って停止線で行う。ただ交差点によっては停止線がかなり手前に設定されていることもあるため、交差する車両を目視できないことも多い。

2nd停止 見せる

2nd停止 見せる2nd停止 見せる 第2段階は「見せる」ための停止。運転者が直接交差する交通を目視するためではなく、むしろ車両を交差点にわずかに進入させ、交差する車両にこちらの存在を認識してもらうための目的となる。今回のポイントだ。

バイクや歩行者からは
こう見られている

バイクでは特にキープレフト走行が基本のため、クルマよりも運転席から見づらい位置となることが多いので、多段階停止でボンネットの先端を見せることが有効です。また見落とされがちなこどもに対しては、多段階停止を経て、さらにアイコンタクトをとり、しっかりと認識してもらうことで、お互いに安心して交差点を渡れます。 2nd停止 見せる2nd停止 見せる

3rd停止 見る

3rd停止 見る3rd停止 見る 第3段階は「見るための」停止。交差点に車両が進入している状況となる。「見せる」段階で交差するクルマが通過、「見る」位置まで進むことで、クルマの後ろから来ていたバイクの存在に気がつくことできる。

多段階停止の1段階目は停止線で止まること、そして2段階目は交差する車両や歩行者にこちらの存在を認識してもらうための「見せる停止」と考えましょう。停止線からわずかに前進し、ボンネット先端を交差する車両や歩行者に見せるのが目的です。そして3段階目は、実際にこちらが交差する車両や歩行者を見るための位置まで交差点に進入していくことです。

メリハリを持たせず、ソロリソロリと進入していくのに対し、しっかりと3段階で「停止」することで、交差する交通に対して「突然ヌッと出てきた!」「もしかしたらそのまま出てくるんじゃないか?」といった不安を与えることなく、より安心・安全な交差点進入ができます。さらに3段階目でもしっかりと停止することで「こちら側が交差する車両を認識した」というメッセージを相手に送ることもできるのです。

特に交通事故が起きやすい「見通しの悪い交差点」ではこういったきめ細かな心がけで安全性を高めることができます。是非とも日々の運転に取り入れてみてください。

バイク車両協力:Honda Dream 戸田美女木


止まる 見せる 見るの3ステップ

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