
自分ではなかなか気づけない!? 運転習慣を振り返ってみよう
いつもしている運転、客観的に見ると実は不安全行動が習慣化していることも少なくありません。改めて、あなたの運転習慣を見直してみませんか?
運転習慣を振り返るプログラム
自分の運転を客観評価。運転行動を改善する
鈴鹿サーキット交通教育センターでは、仕事で運転する人たちに向けた研修内容のひとつとして、DSP(Driving Style Proposal=運転行動スタイル提案)システムを活用した「運転習慣チェックプログラム」を実施しています。このプログラムは、10 項目のチェックポイントを設定した専用コースを運転後に、自分の運転に対する自己評価と、測定した実走行評価を比較します。その結果を踏まえて、自分の弱点(課題)に気づくとともに、受講者に改めて危険予測の重要性を考えてもらい、運転行動の改善につなげることを目的としたものです。
- ①
指定のコースをまずは事前情報なしに運転。
- ②
見通しの悪い交差点や……
- ③
横断歩道手前に駐停車している車両を追い越すシーンなどが組み込まれたコースを走ります。
- ④
走行後、チェックポイントに対して自分の運転を評価。これと、データによる実走行評価を比較します。

これらのポイントは、自分ではできていると思っていても、改めて確認すると、実はできていないことが多いものです。これらのうち、自己評価と実走行評価に乖離があるポイントが、自身の運転の弱点であり、改善が必要な項目なのです。
死角に潜む危険がイメージできているか
DSPの受講者データを見ると、上記チェックポイントの中で、自己評価と実走行評価の乖離が大きい項目があります。②安全確認、⑧優先関係に関わらず減速、⑩歩行者保護に充分配慮する、という3つです。
いずれも、死角に潜んでいる他者の動きをイメージできていないことが原因となる項目です。
見えていない部分(死角)は自分に都合よく解釈してしまったり(だろう運転)、危険をイメージできず、歩行者保護のための減速や停止ができていないことが、事故につながってしまいます。自分が運転する状況にどんな危険が潜んでいるのか、イメージをふくらませることが重要です。
ドライブレコーダーも活用できる!
日常の運転を振り返るツールとして
DSPにおいて、多くの受講者は(たとえベテランのドライバーでも)、より安全な運転行動を頭ではわかっていても、習慣化してしまった不安全行動をなかなかすぐには変えられません。
自分の運転行動・不安全行動を改善するには、日頃から安全を意識して運転する必要があります。そこでおすすめしたいのが、ドライブレコーダー映像の活用です。本誌の読者アンケートによれば、ドライブレコーダーの搭載率は78% 以上にもなります。
せっかくつけているドライブレコーダー、万が一の事態になったときのみに使うのではもったいない。録画した映像を自分の運転を振り返るためのツールやきっかけとして活用してみてください。
これであなたの運転の評価アップ!
今日からできるチェック&改善アクション
信号待ちからの発進時に注目!
信号待ちから発進するときには、ひと呼吸おいての安全確認がポイントです。青信号になったと同時に進んだり、ましてや変わる前に発信するのはNG。
なぜなら、交差車線で安全確認をせずに発進するクルマや黄色信号で進入してくるクルマがいるかもしれません。また、まだ横断中の歩行者や、大通りの場合に車列の隙間から横断違反の歩行者がいないかなど、これらを確認するためには時間が必要です。
信号待ちからの発進時、それらの確認のために、自分がひと呼吸置いてるかどうか、チェックしてみてください。
荷物が動く操作はNGです!
チェックポイントの③「加速操作」について、加速Gが0.2Gを超えると急操作と判定される場合が一般的です。ポイントとしては、助手席に置いた荷物が動くかどうかです。荷物の重さや形状にもよりますが、0.2Gを超えると荷物が動いてしまいます。つまり荷物を動かさない 、倒れないような、丁寧な操作を心がけてみてください。ドライブレコーダー映像で加速Gを確認できるものは、積極的にチェックして改善につなげましょう。
運転習慣を振り返ってみよう