車間距離の適切な測り方 たかが2秒、されど2秒 〜車間距離から車間時間へ〜
前を走るクルマと自分が運転するクルマとの距離は、万が一の追突事故を避けるためにも、適切に確保が必要。そのために推奨されているのが「2秒ルール」です。教習で聞いたという人も多い……はず。みなさん、覚えていますか?
みなさん、車間距離をどのように、どれくらい取って運転していますか? 本誌の読者アンケートにおいて、約6割が目測、つまり「カン」で測っているという結果でした。目測などの感覚では正確な距離を図ることはできません。そもそも、適切な車間距離とはどれくらいなのでしょうか?
警視庁HPに交通心理学会の実験結果が掲載されています。走りやすいと感じる車間距離は時速50kmで25m、時速60kmで28m、時速80kmで43m、これを時間に換算すると、速度によらず、走りやすい間隔は1.8秒となります。また、車間時間が2秒未満で起きた事故は死亡事故を含む重大事故が多いことから、車間距離は2秒が適切だとされています。
そこで活用したいのが2秒ルールです。目標物(照明や電柱、標識など)を決め、前のクルマがそれを通過してから2秒数え、自分のクルマが目標物を通過した時間が2秒後であれば、適切な車間距離である、というもの。ポイントはゆっくり01(ゼロイチ)、02(ゼロニ)と数えること。「ゼロ」を付けないと早すぎるのでご注意を。
あいまいな目測から、車間時間(秒数)による車間距離の確保を習慣づけてみてください。
「一般道で、前車との車間距離をどのような方法で確保していますか?」という質問に対して、目測のみという回答は59.9%、さらに車体の一部(ボンネットなど)を使っての目測17.5%を加えれば、約77.4%が、曖昧な目測によって車間を判断している結果に。
一方、2秒ルールを活用している人はわずか7.6%でした。目測は個人差もあり、適切な車間距離を確認できません。自分が思っている以上に前車に近づいてしまっている可能性があります。
車間時間は2秒以上を目安に
●車間時間と走行速度の組み合わせ表
時間 / 速度 | 40km/h | 50km/h | 60km/h | 70km/h | 80km/h | 90km/h | 100km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1.8秒 | 20.0m | 25.0m | 30.0m | 35.0m | 40.0m | 45.0m | 50.0m |
2秒 | 22.2m | 27.8m | 33.3m | 38.9m | 44.4m | 50.0m | 55.6m |
3秒 | 33.3m | 41.7m | 50.0m | 58.3m | 66.7m | 75.0m | 83.3m |
4秒 | 44.4m | 55.6m | 66.7m | 77.8m | 88.9m | 100.0m | 111.1m |
表にあるとおり、40km/hで車間時間2秒の車間距離は22.2mとなります。一方、停止距離は40km/hで22mとされています(もちろん高速になるほど長くなります)。
これを踏まえて、適切な車間時間の目安として一般道路では2秒以上、高速道路では3秒以上が推奨されています。
では、実際に車間時間2秒/3秒での車間距離がどのくらいなのか?
ドライバー視点/俯瞰それぞれで見ると、下記のような状態になります。
あなたの車間距離、充分確保できていますか?
60km/hで約33m、クルマ約7台分
2秒ルールを適用すると、一般道の法定速度である60km/hの場合、約33mとなり、普通自動車で換算すると約7台分のスペースが必要になります。写真は運転者視点で見た前走車と、同じ状況を俯瞰で見たようすです。あなたの感覚は適切だったでしょうか?
高速道路では3秒ルール
2秒ルールは一般道に推奨されるもので、速度が上がる高速道路では、より安全を確保するために3秒の車間時間を空けることをおすすめします。3秒ルールの場合、100km/hの車間距離は83.3mとなります。前走車がこれより近く(大きく)見えたら、車間が狭まっていると言えるので3秒ルールで確認しましょう。
一般道路では2秒以上。高速道路では3秒以上の車間時間を取るのが、適性な車間距離の目安となりますが、路面状況や、体調の変化に合わせ、車間時間をプラスすることで、より安全な車間時間につなげてください。
一般道路での車間距離の適切な測り方
高速道路での車間距離の適切な測り方