交通安全のポイント「クルマ編」基本をマスターする 車両感覚

クルマと道路の関係をつかむ目安を、覚えておきましょう。

運転に慣れていなかったり、違う車種に乗りかえて間もないときなどは、車両感覚(クルマの前後左右の距離感など)が正しくつかめていないことがあります。車両感覚をつかんでいれば、狭い道でのすれ違いや、車庫入れ・縦列駐車がとてもラクになります。


5つのラインを目安にした、車両感覚のつかみ方

まわりの安全を確認したうえで、駐車場などの白線を利用し、図のようなラインにクルマを止めてみましょう。まず正しい運転姿勢をとり、それぞれの延長線が運転席からどのように見えるか確認します。5つのラインを覚えられると、車両感覚はぐんとつかみやすくなります。

A.

前方の車両感覚のつかみ方

左右の前輪がフロントウインドウの
どの位置にあるかを覚えましょう。

B.

後方の車両感覚のつかみ方

左右の後輪がリアウインドウのどの位置にあるかを覚えましょう。

C.

右側の車両感覚のつかみ方

車両の前端と前輪軸の延長線がミラーまわりのどの位置にあるかを覚えましょう。

D.

左側の車両感覚のつかみ方

後輪軸の延長線がサイドウインドウのどの位置にあるかを覚えましょう。

車両感覚をつかむ方法を説明するイラスト

運転席からラインはこう見える。

とくに不安が多いのは左側方の車両感覚です。左前車輪の延長線は、イラストAのライン1のようにボンネットのほぼ中央に見えます。左後車軸延長線の位置は、イラストDのライン5のように左センターピラー※あたりに見えます(ただし、車種や運転姿勢の違いにより、見え方が異なりますので、ご自分のおクルマでご確認ください)。また、前車軸延長線はイラストCのライン4のようにドアミラーの下あたりに見えます。

※センターピラー:運転席・助手席の直ぐ後方にあるルーフを支えるための柱

ミラーを下向きに使って位置確認。

車庫入れや縦列駐車のときなど、運転席から見えにくいクルマの両サイドやその後方の確認は、ドアミラーも使いましょう。また、低めの障害物などの確認のために、電動ドアミラーの場合は、手元の調整機構でドアミラーを下向きにすると便利です(通常走行時は元に戻して運転してください)。

歩いているとき、クルマを運転しているときの距離感は違います。

人間は、ものとの距離を判断するとき、経験や常識を活用しています。クルマの運転でも、ぎりぎりの駐車スペースや狭い道をふだん使っている人とそうでない人、大きなクルマと小さなクルマに乗る人では、車両感覚の正確さに差が出てきます。これは経験の違いからくる差です。

人間はまた、自分の目や体を中心にして、距離を判断しています。車両感覚で、左側や後部の距離判断が右側や前部と比べて難しく、不正確になりやすいのは、運転者の目や体から遠くにあり、しかも死角が大きいからです。クルマの前後、左右の距離感は、意識的に練習、体験することで早く正確に身につけることができます。

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