- 森の達人より
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こんにちは! Hondaのサーキット場「ツインリンクもてぎ」にある自然体験施設「ハローウッズ」のキャストリーダー和田です。今回は、ハローウッズの森の谷間を利用した棚田をご紹介します。その名も「ハッチョウトンボの棚田」。四季折々でいろんな生きものを見ることができる棚田の世界をぜひご覧ください。
- ハローウッズ
キャストリーダー和田 誠
ツインリンクもてぎの自然体験施設
「ハローウッズ」へ行ってみよう!
棚田の名前の由来になった “ハッチョウトンボ”
ハッチョウトンボは世界最小の種類のトンボで、体長はおよそ2cmほど。一円玉に隠れてしまうほど小さな小さなトンボです。ハローウッズの棚田の休耕田にこのハッチョウトンボが棲息していることから、この田んぼを「ハッチョウトンボの棚田」と呼ぶようになりました。
ハッチョウトンボは、大型のトンボやその幼虫のヤゴ、ザリガニなどの天敵が比較的少ない、すごく浅い湿地や湿原を好みます。棚田の上部にある休耕田は、丁度良い湿原と化していて、ハッチョウトンボの生息するのに適した環境になっています。
都市によっては天然記念物に指定されるなど、数を減らしているハッチョウトンボ。全国的にこのような環境が少なくなっていることが原因の一つともなっています。
ハッチョウトンボ:オス
ハッチョウトンボ:メス
豊かな山の水に支えられた棚田。
ちなみに棚田での稲作は、平地の田んぼに比べて日当たりが悪いという不利な条件もありますが、森から注ぐきれいで栄養たっぷりの水、そして土が深く、稲が根をしっかり張れることや、気温の寒暖の差が大きいことで、棚田ならではの甘くておいしいお米ができるのです。
※ツインリンクもてぎの森の自然体験ミュージアム「ハローウッズ」では、体験プログラムのひとつとして9月に「棚田でどろんこ!稲刈り体験」を実施予定です。
詳細はこちらから。
ハローウッズの自然体験プログラム
湿生植物が生え青々としている部分がハッチョウトンボの棲む休耕田です。
棚田の上部には山の水をためる溜池があり、ここから栄養たっぷりの水が田んぼに送られます。
5月の田植え体験の様子。
秋を迎え、豊かに実る稲穂。
稲刈り後のハッチョウトンボの棚田。
四季折々にさまざまな生きものが見られる棚田。
稲刈りの時以外は一年中水を張っているハッチョウトンボの棚田では、四季を通して多くの生きものたちとの出会いがあります。いくつかそんな生きものたちを紹介します。
- 春:
- 春一番が吹く頃、棚田は一気ににぎやかになります。ヤマアカガエルとニホンアカガエルの産卵です。2~3月の産卵期に田んぼに水があることと、親であるカエルが生活する森がすぐそばにあるという環境がアカガエルにとって重要です。
アカガエルの卵塊。
ヤマアカガエル。
- 夏:
- 夏の田んぼは昆虫たちがたくさん出てきます。初夏の夜に幻想的に光るゲンジボタルやヘイケボタル。田んぼを覗くとカエルを狙うタガメ、棚田の両側を流れる沢にはオニヤンマが縄張りをつくり、産卵する姿なども見られます。
日本最大の水生昆虫であるタガメ。
光るヘイケボタル。
- 秋:
- 棚田の周りをヒガンバナなど、秋の草花が咲き乱れます。アキアカネが舞い、コオロギやキリギリスなどの鳴く虫の声も棚田中に響き渡ります。
ヒガンバナが咲く棚田。
トンボやチョウを狙うオオカマキリ。
- 冬:
- 冬でも水を張っているハッチョウトンボの棚田。真冬には凍りつくこともありますが、ミジンコなどの微生物、イトミミズ、ドジョウなどが暮らし、多くの生きものたちの冬越しの場ともなっています。それを求めて野鳥たちがやってきます。
キセキレイ。
セグロセキレイ。
- 先人たちの知恵 棚田の止まり木:
- 棚田の畔に立つT字の止まり木。ここにはノスリやサシバなど、タカの仲間がとまります。
タカがとまることで、稲を食べにくるスズメが近づきにくくなるというわけです。食物連鎖を上手に使った、先人たちの知恵ですね。
止まり木。
獲物を探すサシバ。
今回紹介したのはほんの一部の生きものたちですが、こんな風にハッチョウトンボの棚田では四季を通して多くの生きものたちが姿を見せてくれます。
再生された棚田
ハッチョウトンボの棚田は、機械化や高齢、過疎化が進む中で、一度放置された棚田です。およそ20年前は草木が棚田を覆いつくし、荒れた状態でした。ヒトが手を入れなくなると、田んぼは湿原、草原、森へと変化していきます。そんな木々も生えた状態から、棚田を再生し、稲を育て、ずっと手入れをし続けていることで、水面輝く、現在の環境が保たれています。
1999年:約20年前の様子
2018年:現在の様子
1999年:約20年前の様子
2018年:現在の様子
棚田を含むハローウッズの森は人の手入れによって多くの生きものたちが集う森なのです。みなさんの家の近くに田んぼや水辺があったら、どんな生きものがいるか覗いてみましょう!
工場の中にあるビオトープで稲作り。
地域共生に取り組む寄居完成車工場。
埼玉県にある寄居完成車工場にはHondaWoods埼玉と呼ばれる里山の森があり、そこにはビオトープが整備され、水田も作られています。2018年5月19日には地域共生の一環として寄居工場周辺地域の方々、男衾小学校・寄居小学校の生徒、寄居町役場の方々と一緒にHondaの従業員とその家族が田植え体験を行いました。
- 本田技研工業(株) 埼玉製作所 寄居完成車工場
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埼玉県大里郡寄居町富田2354
TEL:048-577-2100(代表)
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