冬の自然観察と言えば、野鳥観察がおすすめです。なぜ野鳥観察は冬が良いのかわかりますか?秋を過ぎて冬になれば落葉樹は葉を落とし、枝だけになります。少し離れた場所からでも木の上に何かいるなと気がつき、鳥を見つけやすくなるからです。今回は、街中や里山など身近な場所で出会える鳥たちをご紹介します。
野鳥観察は、わざわざ山や森まで行く必要はありません。家の庭や近所の公園など身近な場所で、普段から見慣れた鳥を観察することから始めるといいでしょう。目が慣れてくると、木の上の小さな鳥にまで気がつくにようになりますよ。
庭にあるピラカンサの実を食べにやってきたメジロです。春になると桜や梅などの花粉も食べます。
ヒヨドリはセンダンの実を食べにきました。冬は食べるものが少ないので、木の実がなっている木の近くで待っていればやってきます。
鳥の大半が移動性で、越冬や繁殖のために“渡り(移動)”を行います。渡りにも種類があり、国内を大きく移動する鳥や山から下りてくる鳥、外国から冬に渡ってくる鳥、夏に渡ってくる鳥など様々です。今の時期は冬になるとやってくる“冬鳥”も多く、見つけた鳥の性質を知れば知るほど野鳥観察は楽しくなってきます。
人里に生息する、もっともなじみのある野鳥です。渡りをする集団もいることが確認されています。
国内を移動している鳥ですが、冬になると外国からも日本に渡って来ます。
日本には冬鳥として渡ってきます。主に虫などを食べていますが、木の実も食べます。
冬に国内を南下したり、山を下りたりします。虫や爬虫類、ネズミ、小さな鳥など生きた獲物を捕まえて食べています。
鳥は、どんな場所にやってくるのでしょうか?野鳥と出会うための近道は、エサ場を探すことです。木の実や虫を食べる鳥は、林や地面に落ち葉があるような所で待っていればやってきます。また、水草や魚などを食べている水鳥たちは、田んぼの水路や池などを探せば見つかるはずです。
木の実から虫までなんでも食べます。写真はカマキリの卵を見つけてついばんでいるところです。
木の枝などについている虫などを食べます。木の中にいる虫も探し出して木をつついて掘り出す、キツツキの一種です。
池や川などで、水中にダイブして生きた魚を捕まえて食べます。体色が鮮やかで川の宝石とも言われています。
川や池などで魚類を捕食します。川の中で足を動かし、驚いて飛び出た魚を捕る仕草がよく見られます。
池や川などに冬鳥として飛来してきます。カモ類は夜行性で、水にいるときは休んでいることが多いです。
池や川などで休んでいるところをよく見ます。寒い国から冬鳥として日本にやってきます。額の部分がクリーム色で可愛いカモです。
野鳥観察のポイントは、その鳥がどんな特徴をしているか、どんな行動をしているかをチェックすることです。観察をしながら、その特徴や行動をメモや写真に収めておけば、あとで図鑑を見てすぐに鳥の名前を調べることができるはずです。さえずりや鳴き声でも、どの鳥なのかを判断することができますよ。
街中で見かけることができます。 エサの少ない冬の時期には、写真のようにカマキリの卵なども食べてしまいます。
渡りをせずに日本で繁殖している唯一のカモです。川に潜って水草を食べたり、岸辺の草などを食べたりしています。
冬に里山に現れる猛禽類です。日本で繁殖をして国内を移動する渡り鳥ですが、外国からも冬にやってきます。
日本中で観察することができます。繁殖も国内でしていて、街中にも多く見られます。雑食で虫や木の実などなんでも食べます。
鳥たちの様子をもっと鮮明に見たり、より細かい特徴を知るために、双眼鏡は必需品といえるかもしれません。双眼鏡を通して観察した鳥たちの詳細な情報を記録しておけば、図鑑で調べるときに役立ちます。
野鳥観察を趣味に持つと、「今日はどんな鳥に会えるかな?」と寒い冬でも外に出るのが楽しみになります。まずは、身近な場所でよく目にする鳥から観察を始めてみませんか?それが普段から見慣れた鳥でも、きっと色々な発見があるはずです。
今回は、ハローウッズの森でも出会うことができるモズのなぜ?なに?に迫ってみたいと思います。
モズは漢字で「百舌鳥」と書き、100種類の鳥の声を真似して、仲間と勘違いして飛んできた相手を襲うと言われています。モズの身体はスズメを一回り大きくした程度ですが、可愛い見た目とは裏腹に“小さな猛禽”と呼ばれる、根っからのハンターです。
モズが「はやにえ」を行う理由には、縄張り意識の強いモズが自分の縄張りを示しているという説と、エサのない時期に食べる“保存食”にするためという説があります。どちらも一理ありますが、獲物がずっと刺さりっぱなしで放置されてることも多いので、やはり縄張りの印なのかもしれません。
今回はこのモズが実験に参加してくれました。あれだけ色々なものを食べるモズであれば、川の生き物だって好きなはずです。
川で捕ったメダカ、カワムツ、モツゴ、タモロコ、ドジョウ、ザリガニの6種類の生き物を薄く水を張った容器に入れて、モズの縄張り内で待ちます。
しばらく経って、ようやく近づいてきたモズ。容器の中を覗き込んで、どれにしようか悩んでいる様子です。
するとモズは、容器の中の獲物を捕まえるとテーブルから飛び降りて地面に叩きつけ、鋭いくちばしでトドメを刺します。こうして、6種類全ての生き物に次々と襲いかかりました。
モズは相手が水生生物であろうと、動いているものには襲いかかる性格であることがわかりました。
普段、これだけどう猛なモズが水生生物を襲わないのは、川や池は水の中が見にくいのかもしれません。今後の実験では水中の獲物がはっきりと見える状態を作り、モズが水中の生き物に襲いかかるところをぜひ観察してみたいと思います。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへ季節ごと、日ごとに変化するハローウッズの森。森をよく知るキャストと一緒に歩けば、野鳥たちの不思議な生態や、面白い場面とも出会えるかもしれません。約90分のロングコースと、小さいお子様連れの方でも安心の約60分のショートコースでお楽しみいただけます。
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