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  • 2024.08.27

海の生きものを観察する磯遊びのすすめ(前編)

海の生きものを観察する磯遊びのすすめ(前編)
奥山 英治
今回の案内人
ハローウッズ キャスト/
日本野生生物研究所代表/
ナチュラリスト/イラストレーター
奥山 英治

こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。みなさん、猛暑が続いていますが元気に遊んでますか? 夏と言えば海、海と言えば海水浴ですが、今回はちょっと違った海の遊びをご紹介します。それは「磯遊び(いそあそび)」。今年はいろんな海の生きものを観察できる「磯遊び」にもチャレンジしてみましょう!

岩がゴロゴロする海岸にできる水たまりが磯遊びの舞台

「磯遊び(いそあそび)」とは、海水浴をするような砂浜の海ではなく、磯(岩がゴロゴロしている海岸)で行なう遊びです。とは言っても、海に入って泳ぐわけではありません。

波打ち際に近い岩の間には海水が溜まっているので、そこでいろんな海の生きものを観察したり、捕まえたりして遊びます。

岩の間になぜ海水が溜まるかと言うと、海には満ち潮と引き潮があって海面が上がったり下がったりしているからです。海面が最も上がった時を満潮と呼び、最も海面が下がった時を干潮と言います。

満潮の時には海面の下にあった岩が、干潮になると海面が下がって外に現れ、その際、岩の窪みに海水が取り残されて小さなプール(タイドプール=潮だまり)が現れます。そこには海水と一緒にいろんな生きものが取り残されているので、海の生きもの観察に恰好の場所になるのです。

ちなみにこの海水の動きは月の引力と関わっていて、満月の日と新月の日に海水は大きく動き、「大潮(おおしお)」となります。大潮は月におおよそ2回ほどあり、満月の日から月が欠け始めて無くなる新月の日までの間に「大潮ー中潮ー小潮ー中潮ー大潮」という順番で潮の動きがあります。

磯遊びに行くなら大潮の日がおススメ

タイドプールで生きもの探しをする「磯遊び」は、大潮の日の前後を狙って行くのが良いとされています。

と言うのも、大潮の日は満潮と干潮の海面の差が最も大きいので、最もタイドプールができやすいからです。

潮の動きはインターネットなど調べることができるので、行きたい海岸の大潮の日を調べ、その日の干潮の時刻の1~2時間前に着くように計画を立てるといいでしょう。
また、干潮と満潮は約6時間周期で繰り返します。つまり、干潮の時刻から3時間も経つと徐々に潮が満ち始めますから、そうなったら磯遊びは終了して帰り支度を始めましょう。

●磯遊びに行く際の準備・注意点
まず大切なのは、海や磯には危ない場所もあるので、決して子どもだけでは行かずに、大人と一緒に行くようにしましょう。
次に、磯には日光を遮るものが無く、岩場なのでケガの危険もあります。熱中症対策や怪我防止のために服装には十分気をつけましょう。
  • ・きちんと帽子をかぶる。
  • ・肌が弱い、または日焼け対策したい場合は長袖・長ズボンで。
  • ・手を守るグローブまたは軍手を用意。
  • ・足元は磯用のシューズや磯タビ。海藻や岩が滑るのでソールがフエルトのものが良い。
  • ・磯用のシューズが無い場合は、古くなったシューズなどに履かなくなった靴下を上から履く。
  • ・万が一海に落ちた場合に備えてライフジャケットを着用する。
  • ・飲み物や食べ物などを入れたクーラーバックやクーラーボックスを持って小まめに水分補給。
  • ・磯で魚を追いかける網2本。大小2本づつあると便利です。
  • ・捕まえた生きものを観察する飼育ケース。

磯遊びで捕った生きものは、飼育ケースなどに移して観察します。じっくり観察するといろんなことが見えてきて楽しさ倍増すること間違いなし。ただし、最終的にはリリースして海に戻してあげましょう。

磯遊びはこれから10月ぐらいまで楽しめます。ぜひ海を知って楽しく遊んでください。

●次回予告「磯遊びのすすめ(後編)」
※来月「磯遊びのすすめ(後編)」では、生きものの捕まえ方のコツ、実際に捕まえた生きもの紹介を掲載予定です。お楽しみに。
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