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  • 2022.07.15

クワガタムシの飼い方を覚えて「クワガタマスター」になろう!

クワガタムシの飼い方を覚えて「クワガタマスター」になろう!
奥山 英治
今回の案内人
ハローウッズ キャスト/
日本野生生物研究所代表/
ナチュラリスト/イラストレーター
奥山 英治

こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。夏休みといえば昆虫採集。中でもクワガタムシ(通称:クワガタ)やカブトムシはいつの時代でも大人気の昆虫です。そこで今回は、この夏捕まえたクワガタムシの飼い方をご紹介します。せっかく自分の手で捕まえたクワガタムシを長生きさせるためにも、飼い方をしっかり覚えておきたいものです。この夏、クワガタマスターになりましょう。

日本で捕まえられるクワガタムシ

今の時代、クワガタムシはホームセンターや昆虫専門店などで簡単に購入することができますし、通販で販売している業者もたくさんあります。そう考えると、クワガタムシを手に入れるのは昔よりも簡単になったと言えるのかもしれません。

でも、せっかくクワガタムシに親しんでクワガタムシのことをもっと知ろうと思うなら、自ら森に入って自分の眼で探して、あれやこれやと工夫をこらしながら自分の手で捕まえることにチャレンジしてみましょう。そうしてこそ、クワガタムシのリアルな生態を知ることができますし、より多くの喜びと親しみも生まれます。クワガタムシの捕まえ方は、この「森に行こうよ!」の以前の回でご紹介していますから、ぜひ参考にしてみてください。(森の達人_クワガタやカブトがいる森に出かけよう!

さて、クワガタムシと言っても色々な種類があります。日本に生息するクワガタムシの種類は40種類前後と言われていますが、そのうちよく見ることができるのは、コクワガタ・スジクワガタ・ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタなどです。捕まえて飼育する前に、これらについて大まかにご説明しておきましょう。

●ノコギリクワガタ
体が大きく(オスで体長30~70mm)、都市部でも見ることができるほど生息数も多いので、人気の種類です。小さな個体ほどアゴが直線的で均一な大きさの歯を持ち、大きな個体になるほどアゴが湾曲して大小混ざった歯を持っています。ちなみに、樹を蹴ったらポトリとノコギリクワガタが落ちてくるのは、樹の振動を感覚毛で感じて危険を察知したクワガタムシが擬死(死んだふり)をするからです。
●コクワガタ・スジクワガタ
コクワガタ(オスで体長15~50mm)やスジクワガタ(オスで体長13~40mm)は、小ぶりでアゴの形状も直線的でシンプル。派手さはありませんが、昔から日本の人里で多く見られ親しまれてきた種類です。
●ミヤマクワガタ
ノコギリクワガタとほぼ同じか、若干大きいぐらいの身体で、頭部の眼の横に突起があって全身に細かい毛が生えているのが特徴です。その荒々しく勇ましい見た目から人気が高い種類なのですが、名前にミヤマ(深山)と付くぐらい標高の高い山間部の森に生息するため、捕まえるのが比較的難しい種類と言えます。

これらの他にも、オオクワガタ・ヒラタクワガタ・アカアシクワガタなどクワガタムシの種類はまだまだいますが、生息数が少なかったり、住む場所が特別で見つけにくかったりと、捕まえるのがなかなか難しい種類ばかりなので、まずは、身近なクワガタムシを上手に飼ってみることからはじめてみましょう。

クワガタムシの飼い方

さて、いよいよクワガタムシの飼育方法をご紹介していきますが、その前に覚えておいてほしい心構えがあります。それは、クワガタムシは成虫で冬眠して越冬する種類が多いということ。先にご紹介したコクワガタやスジクワガタの多くは、冬眠して冬を越します。一方、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは寿命が短いので冬を越すことはほとんどありませんが、それでも室内で大事に飼育したノコギリクワガタが冬を越した例がしばしば報告されています。昆虫だから夏が過ぎたら死んでしまうと思わずに、ちゃんと冬眠できる場所を作って、冬を越させるつもりで大事に飼育しましょう。

  • 1. 飼育ケースを用意

    まずは飼育ケースを用意します。クワガムシタが窮屈な思いをしないよう、程よい大きさを選びましょう。

  • 1. 飼育ケースを用意
  • 2. 腐葉土・落ち葉・止まり木

    飼育ケースの中に入れる腐葉土・落ち葉・止まり木を用意します。自然のものでなくても、ホームセンターなどで購入できます。
    ※使う前に天日に十分干して殺菌しましょう。

  • 2. 腐葉土・落ち葉・止まり木
  • 3. 腐葉土を敷く

    飼育ケースの中に、クワガタムシが潜れるよう2~3cm程度の深さになるように腐葉土を敷きます。
    自然の腐葉土が手に入れにくい場合、ホームセンターなどで売っている「昆虫マット(腐葉土や針葉樹・広葉樹を粉砕し粉状にしたもの)」を使用しましょう。

  • 3. 腐葉土を敷く
  • 4. 落ち葉を入れる

    落ち葉は、クワガタムシが転倒(ひっくり返ること)した際に、つかまって体を元に戻すために必要です。
    腐葉土の上から、さらに落ち葉を3cm程度の高さになるように入れます。
    また、落ち葉と腐葉土の間に入って体を休めることで、長生きの助けにもなります。これも、ホームセンターなどで除菌済みのものを購入できます。

  • 4. 落ち葉を入れる
  • 5. 止まり木を入れる

    飼育ケースの大きさに合わせて、止まり木が斜めに立つぐらいの長さに整え、ケースに入れます。これで準備は完了です。
    もともとクワガタムシは木の上で生活しており、身体のつくりもそれに順応しています。その環境を再現してあげましょう。これもホームセンターなどで購入可能です。

  • 5. 止まり木を入れる
  • 6. クワガタを入れる

    捕まえたクワガタムシを入れて飼育を始めます。中に入れる匹数は少なめに。写真では2匹入ってますが、このケースで多くて5匹くらいまでです。

  • 6. クワガタを入れる
  • 7. エサを入れる

    エサはフルーツでもいいですが、ここでは市販されている昆虫ゼリーを使用済みコーヒーミルクのケースに入れて与えています。ケースを止まり木に固定すると、エサの補充や手入れが楽です。

  • 7. エサを入れる
  • 8. ハエ防止キッチンペーパー

    エサを入れておくと、コバエが発生することがあります。これを防止するには、ケースと蓋の間にキッチンペーパーなどを挟んで侵入を防ぐといいでしょう。

  • 8. ハエ防止キッチンペーパー
●飼育する場所の日当たり、温度や湿度について
クワガタムシは夏に活動するので暑さに強いと思われがちですが、実はそうでもありません。彼らは森の日陰や木の皮の裏にいて暑さをしのいでいます。よって飼育ケースは、直射日光の当たらない涼しいところに置いてください。特に夏場は30℃以上になるようなところには置かないようにしましょう。
クワガタムシの飼育には適度な湿度が必要です。止まり木や落ち葉の状態をチェックして、乾燥してきたら霧吹きなどで軽く湿らせてください。ただしやり過ぎは逆効果になりますので、週1回程度を目安にしてください。
腐葉土や昆虫マットの表面が食べかすや糞で変色したり、臭いが強くなっていたら交換しましょう。2~4カ月に1度が目安です。

飼育ケースのクワガタムシを長生きさせるには、オス・メスを一緒に入れないようにすることです。クワガタムシは、交尾をするとだんだん弱って死んでしまいます。産卵させたい場合は、詳しい人に方法を聞くなり、インターネットで調べるなどしてからチャレンジしましょう。

先に書いたように、ミヤマクワガタやノコギリクワガタは年を超えることはほとんどないので、夏の間に十分観察しましょう。一方、コクワガタは上手に飼うと2~3年生きると言われていますから、長生き記録に挑戦してみるのも飼育の楽しみです。

自分で捕まえたクワガタムシを飼育すると、気持ちの入り方が違います。ホームセンターなどで買ってきて飼うのとは思い入れまで変わってきます。最初はうまくいかなくても、飼育は繰り返していればだんだんうまくなります。飼育をすることで分かってくることも多く、図鑑やテレビなどで見る世界とは全く違う感動があります。

ぜひ、自然の中で捕まえクワガタムシの飼育に挑戦してください。そしてステップアップとして、繁殖にも挑んでみてください。

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