こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。今回は、小さな子供から大人まで、おそらくこの名前を知らない人はいないでしょう。それくらい誰でも知っている生きもの、身近な「ダンゴムシ」のことをいろいろ知ってダンゴムシ博士を目指しましょう。
皆さん、ダンゴムシという生きものをご存じですよね? 家の周りでよく見つかる、軒下の地面をコソコソ動いて、ちょっと刺激を与えるとクルリと丸まってしまうあの生きもの。「ムシ」という名がついていますが、昆虫ではなく、ワラジムシ目で甲殻類に属する生きものです。
日本でよく見かけるダンゴムシの本名は「オカダンゴムシ」と言い、意外に思うかもしれませんが、なんとヨーロッパからやってきた外来種で、明治以降に日本に入ってきたと言われています。ダンゴムシには種類もたくさんいて、ワラジムシも丸まらないくせにダンゴムシの仲間です。もともと海で暮らしていたものが陸で暮らすようになったので、海にもたくさんの仲間が存在します。有名なところではダイオウグソクムシも、深海のダンゴムシです。それぞれ環境に合わせ地域やす住む場所が違うのです。
ダンゴムシのオスとメスは簡単に見分けることができます。メスには身体に模様があって、オスにはほとんど模様がありません。
ダンゴムシは昼間にもよく見かけますが、基本的には夜行性で夜に活発に動いています。よく枯葉を食べるといいますが、枯葉だけでなく緑の葉や肉類まで何でも食べる雑食性です。畑では野菜などを食べてしまうので害虫扱いされてます。
甲殻類は体がヨロイのように硬い作りになっていますが、これは身を守るためでもありますが、動物でいうと骨と同じで身体を支える役割を担っていて、カルシウムで出来ています。だから都会で暮らすダンゴムシは、コンクリートを食べてカルシウムを吸収しています。
ダンゴムシ類は水が大好きで、水をよく飲みます。ところが口で水を飲むのではなくお尻で水を飲みます。スポンジやティシュなどに水を含ませて置いておくと、お尻をくっつけて水を飲んでいるシーンを見ることができます。
ちなみにダンゴムシが呼吸するのは腹部です。元々海から来た生き物なので本来ならえら呼吸なのですが、陸ではエラは役に立たず、腹部にある白くなっている部分がそのエラの代わりに呼吸する器官になっています。どうやって進化していったのか、とても気になるところでもあります。
また、メスには子供を育てる袋が胸部にあり、卵はそこで孵化してしばらく袋の中に小さな赤ちゃんを抱えています。なんとも不思議な生きものなんです。
ダンゴムシの生態を調べるために独自の実験を行なってみましたのでご紹介しましょう。
実験の結果、落ち葉はほとんど手をつけていません。本当は落ち葉は嫌いなんじゃないんでしょうか? 森に住むダンゴムシは、落ち葉が一番身近にあるので食べているだけなんじゃないかと思います。
しかし何匹もやってみましたが、すべてのダンゴムシがGOALできたわけではなく、迷っているダンゴムシが何匹もいました。見ていると、どうも触覚に何かヒントがあるようです。今回、それ以上のことは分かりませんでしたが、もっと詳しく知るために夏休みの自由研究などでこの実験をやってみても、面白いと思いますよ。
最後に、いろんなダンゴムシの仲間たちをご紹介しましょう。あなたのお家の周り、公園や森の中などで探してみてください。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
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