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  • 2022.02.28

自然のススキとオギで「手ボウキ」を作ってみよう!

自然のススキとオギで「手ボウキ」を作ってみよう!
奥山 英治
今回の案内人
ハローウッズ キャスト/
日本野生生物研究所代表/
ナチュラリスト/イラストレーター
奥山 英治

こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。冬も終盤、春はすぐそこまで来ています。冬にやり残したことがある人は急がないと春が来てしまいますよ。今回挑戦する野遊びは、まさにこの冬の終わりの時期ならではの工作、ススキやオギの穂を使った簡単ホウキ作りに挑戦です。

身近にあると意外に便利な「手ボウキ」

高性能で使い勝手の良い電気掃除機が次々に登場する現代では、ホウキという道具を掃除に使う機会はほとんど無くなりました。もはやホウキが活躍するのは、学校の掃除の時間ぐらいかもしれません。でも、このホウキという道具、まだまだ捨てたものではありません。たとえば机の上のホコリをサッとひと払いしたり、パソコンや家具に付いたホコリをサッと拭いたり、そういう時には、電気掃除機よりも「手ボウキ」と呼ばれる片手持ちの小さなホウキがあるととても便利です。

そんなこともあり、ハローウッズでは自然のススキやオギを使った「手ボウキ」づくりを行なうことがしばしばあります。そしてこのホウキづくりを行なうのは、冬の後半から終わりにかけての時期が良いのです。今回はその理由もふくめて、お手製ホウキのつくり方をご紹介していきましょう。

●材料はススキとオギ
ホウキの材料になるのは、ススキとオギという植物の「穂」の部分です。これを束ねたものがホウキの掃く部分、すなわちホウキの「穂」になります。なので、まずは外に出てススキとオギを集めることから始めます。

ところで、ススキは良く知っているけどオギは知らない、という人も多いと思います。でも、そんな人でもオギを目にしたことは必ずあるはずです。実はススキとオギの見た目はそっくりで、風景としては一括りに「ススキの風景」として見ていた可能性が高いのです。

ススキとオギの最も大きな違い、それは生え方です。ススキは株で育つので株単位でかたまりになって生えていますが、オギは根茎で育つので、地面一面にまんべんなく生えています。また、他に見分けるとしたら「穂」の部分に若干の違いがあります。ススキの穂とオギの穂の色を比べると、オギの方が白っぽい色をしています。また、穂の種の先っちょにヒゲのようなのが1本飛び出ているのはススキです。オギにはありません。

とにかく両者は非常に似ていて見分けるのが難しいということなのですが、両者とも穂の部分を集めてホウキを作るので、両者が混ざっていても問題はありません。

次に、なぜ冬の後半から終わりの時期に穂を採るのか? ということですが、それは、もし秋から冬の初めにかけて穂を採ると、まだ綿毛やタネがいっぱい付いていて、これらを取り除くのが大変だからです。それに比べて冬の後半になると、穂についていたタネがすべて飛んだり落ちたりして無くなり、工作するのに手間がかからないのです 。つまり、綿毛やタネはホウキづくりには不要なものになりますから、できるだけ綿毛やタネのない穂を摘んでいくといいでしょう。

「手ボウキ」のつくり方

それではここから、ホウキのつくり方をご説明していきましょう。

  • 1. 道具を準備する

    ・枝切りバサミ
    ・園芸用針金
    は、必ず必要なものになります。ほかに、
    ・装飾用のヒモ
    ・ヒモを切るハサミ
    があると、見た目がおしゃれなホウキを
    作ることができます。

  • 1. 道具を準備する
  • 2. 穂を束ねる

    道具が準備できたら、まず集めてきた「穂」を束ねます。ホウキの大きさをイメージして、適当な大きさ、ボリュームで束ねてください。

  • 2. 穂を束ねる
  • 3. 茎の長さを整える

    枝切りバサミで茎の長さを整えます。まず束ねた穂の先端を揃えてから、反対側の茎の部分を切りましょう。

  • 3. 茎の長さを整える
  • 4. ホウキの柄を入れる

    あらかじめ用意しておいたホウキの「柄」になる棒や木の枝を、穂で包むように入れていきます。

  • 4. ホウキの柄を入れる
  • 5. 針金で巻く

    園芸用針金をしっかりと巻きつけ、穂と柄が動かないようにねじって止めます。

  • 5. 針金で巻く
  • 6. もう一度針金で巻く

    これを2カ所、穂の上部と下部で行ない、穂と柄を固定します。

  • 6. もう一度針金で巻く
  • 7. 針金の上にヒモを巻く

    針金だけでも構いませんが、見た目をおしゃれにするには、針金の上から装飾用のヒモを巻いて針金を隠すとよいでしょう。

  • 7. 針金の上にヒモを巻く
  • 8. 手ボウキの完成

    ヒモを巻いたら「手ボウキ」の完成です。柄の部分の枝の具合、ヒモの色などを工夫することで、自分好みのホウキを作りましょう。

  • 8. 手ボウキの完成

家族で色々なバリエーションを作って比べてみるのも楽しいものです。今年の冬の家族の思い出に、「ススキとオギで手ボウキづくり」はいかがでしょう。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

ツインリンクもてぎの自然体験施設「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。

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