こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。冬も終盤、春はすぐそこまで来ています。冬にやり残したことがある人は急がないと春が来てしまいますよ。今回挑戦する野遊びは、まさにこの冬の終わりの時期ならではの工作、ススキやオギの穂を使った簡単ホウキ作りに挑戦です。
高性能で使い勝手の良い電気掃除機が次々に登場する現代では、ホウキという道具を掃除に使う機会はほとんど無くなりました。もはやホウキが活躍するのは、学校の掃除の時間ぐらいかもしれません。でも、このホウキという道具、まだまだ捨てたものではありません。たとえば机の上のホコリをサッとひと払いしたり、パソコンや家具に付いたホコリをサッと拭いたり、そういう時には、電気掃除機よりも「手ボウキ」と呼ばれる片手持ちの小さなホウキがあるととても便利です。
そんなこともあり、ハローウッズでは自然のススキやオギを使った「手ボウキ」づくりを行なうことがしばしばあります。そしてこのホウキづくりを行なうのは、冬の後半から終わりにかけての時期が良いのです。今回はその理由もふくめて、お手製ホウキのつくり方をご紹介していきましょう。
ところで、ススキは良く知っているけどオギは知らない、という人も多いと思います。でも、そんな人でもオギを目にしたことは必ずあるはずです。実はススキとオギの見た目はそっくりで、風景としては一括りに「ススキの風景」として見ていた可能性が高いのです。
ススキとオギの最も大きな違い、それは生え方です。ススキは株で育つので株単位でかたまりになって生えていますが、オギは根茎で育つので、地面一面にまんべんなく生えています。また、他に見分けるとしたら「穂」の部分に若干の違いがあります。ススキの穂とオギの穂の色を比べると、オギの方が白っぽい色をしています。また、穂の種の先っちょにヒゲのようなのが1本飛び出ているのはススキです。オギにはありません。
とにかく両者は非常に似ていて見分けるのが難しいということなのですが、両者とも穂の部分を集めてホウキを作るので、両者が混ざっていても問題はありません。
次に、なぜ冬の後半から終わりの時期に穂を採るのか? ということですが、それは、もし秋から冬の初めにかけて穂を採ると、まだ綿毛やタネがいっぱい付いていて、これらを取り除くのが大変だからです。それに比べて冬の後半になると、穂についていたタネがすべて飛んだり落ちたりして無くなり、工作するのに手間がかからないのです 。つまり、綿毛やタネはホウキづくりには不要なものになりますから、できるだけ綿毛やタネのない穂を摘んでいくといいでしょう。
それではここから、ホウキのつくり方をご説明していきましょう。
・枝切りバサミ
・園芸用針金
は、必ず必要なものになります。ほかに、
・装飾用のヒモ
・ヒモを切るハサミ
があると、見た目がおしゃれなホウキを
作ることができます。
道具が準備できたら、まず集めてきた「穂」を束ねます。ホウキの大きさをイメージして、適当な大きさ、ボリュームで束ねてください。
枝切りバサミで茎の長さを整えます。まず束ねた穂の先端を揃えてから、反対側の茎の部分を切りましょう。
あらかじめ用意しておいたホウキの「柄」になる棒や木の枝を、穂で包むように入れていきます。
園芸用針金をしっかりと巻きつけ、穂と柄が動かないようにねじって止めます。
これを2カ所、穂の上部と下部で行ない、穂と柄を固定します。
針金だけでも構いませんが、見た目をおしゃれにするには、針金の上から装飾用のヒモを巻いて針金を隠すとよいでしょう。
ヒモを巻いたら「手ボウキ」の完成です。柄の部分の枝の具合、ヒモの色などを工夫することで、自分好みのホウキを作りましょう。
家族で色々なバリエーションを作って比べてみるのも楽しいものです。今年の冬の家族の思い出に、「ススキとオギで手ボウキづくり」はいかがでしょう。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへ「人はなぜ歩くのか?」を問う、120kmの旅に挑戦します。仲間や自分と向き合う旅のなかで出会う出来事が、新しい一歩を踏み出す原動力となるでしょう。未来の無限の可能性に果敢にチャレンジしていってほしい、そんな思いでスタッフがサポートします。
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