こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。冬というと、虫はいない!と思いがちですが、冬でも虫たちは何らかの形で生きているのです。隠れていそうな場所を探すと、色々な虫が捕まえられるのです。今回はそんな冬の虫の探し方をご紹介します。
夏の虫のスターといえばカブトムシやクワガタムシ。では、彼らは冬はどこでどのように過ごしているのでしょう? カブトムシは、冬はまだ幼虫の姿で朽ちた木の下や落ち葉の積み上がった腐葉土の中にいます。クワガタムシは種類によっても違いますが、大半は朽ちた木の中などで見つかります。夏に成虫になる虫の大半は冬は幼虫や蛹なのですが、朽木の中に住むクワガタムシは産卵期が長くその分成長にも大きく変化があり、真冬でも朽木の中から成虫が見つかることがあります。特にコクワガタは、色々な朽木に産卵するので見つけやすい種類と言えます。
冬の里山でムシ探し。シャベルなどでつつきながら朽木を探り、柔らかい朽木を見つけたら足で踏みつけて崩して中を確認します。
割れた朽木に、クワガタの幼虫の糞が詰まった通り道が見つかると、確実に見つかります。
成虫は蛹になった場所から動かないので蛹部屋の空間で見つかります。大きな幼虫の道があれば期待大。
条件のいい朽木だと、大小バラバラの幼虫が出てくることも。里山の雑木林の朽木ではコクワガタが主流で、大きなものは蛹になる間近です。
せっかく捕まえた幼虫なので飼育に挑戦。まずは、簡単に飼育できる大きな幼虫から選びます。
捕まえた朽木の木を細かく砕いて瓶などに詰め込み、その中に幼虫を1匹入れて飼育します。
割った朽木から出てきたオスのコクワガタ。寒さで全く動きませんが暖かくすると動き出します。真冬でもコクワガタがこんなに採れました。飼育するときは朽木を崩して飼育ケースに入れ寒い場所で飼育します。餌などは入らないが、乾燥させないようにいつも様子を見るのがコツです。夏になると動き出し餌を食べます。
コクワガタの成虫。冬はあまり動き回らないので、見つけてしまえば夏より捕まえやすいと言えます。
冬でも、里山の朽木や枯れ葉の下を根気よく探せばこんなに成虫が採れることも。
いかがですか? 寒い冬に家にこもってじっとしているのではなく、里山に行って冬の虫たちはどのように過ごしているのかを探ってみるのも楽しいものですよ。皆さんもぜひお出かけしてみてください。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへ冬こそ朽ち木の中に隠れる虫たちの不思議を見つけるのに絶好の季節! 手入れされたどんぐりの森では、たくさんの朽ち木を見つけることができます。寒さに耐える生きものたちの工夫と知恵と不思議を探しに、冬の森を生きもの探険しよう!
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