こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。みなさん、子どものころドングリを拾って遊んだ思い出があると思います。そこで今回は、ドングリの種類やドングリを使った遊び方について、あらためてご紹介してみようと思います。
夏の暑さもだんだん和らぎ、秋めいてきた野山ではセミの声がコオロギに変わり、木の実も目立つようになってきました。里山を散歩して、クリやトチの実・赤いガマズミや紫のアケビなどの木の実を探すのも、秋の楽しい遊びの一つです。中でもドングリは馴染み深い木の実で、ドングリという言葉は知らない人がいないくらい。しかし実はドングリという木があるわけではありません。ドングリはシイやクヌギやナラなどの木の実全体を指した言葉です。ではドングリにはいったいどんな種類があるのか、近くの公園に散歩に出たついでに拾ってきて調べてみましょう。
小さく縦に長いドングリ。帽子はゴツゴツタイプです。
丸くて大きなドングリ。帽子はまるでボサボサの髪みたい。
硬く尖った大きなドングリ。帽子は浅くちょこっと乗っています。
やや丸美を帯びたドングリ。帽子はゴツゴツタイプでやや深いです。
現代のようにいろんなおもちゃやゲームが無かったころ、ドングリは子どもたちの楽しいおもちゃでした。コマを作ったり笛を作ったり、子どもたちの創意工夫でドングリは実に様々なおもちゃに変身したのです。ここではその一部をご紹介しましょう。
中心上部に穴を開け、木の小枝や楊枝などを刺してコマを作ります。難しいのは中心に穴を開けるところ。ずれると綺麗に回りません。
中心になるドングリの左右にバランス良く穴を開け、少し長めの枝を刺し、枝の先に左右均等な重さになるようにドングリを差し込みます。ポイントは重めのどんぐりを選ぶこと。
ドングリの上の部分にできるだけ小さく穴を開け、中の実を細かくしながらすべて取り除きます。穴より少し長い小枝にひもを結び、ドングリの穴に入れます。ひもの端を持ちどんぐりを回すと、ブォーブォーと音が出ます。
唇にあてて吹いても鳴ります。
帽子のついたドングリを拾い、帽子を板や木などに接着させます。ドングリの種類によって帽子が違うので、いろいろな種類のドングリを並べれば、名前を覚えるのに楽しいパズルの出来上がり。
落ちているドングリを拾ったことのある人なら、ドングリに小さな穴が空いていたり、持って帰ったら小さなイモムシが出て来てビックリ!なんてことありますよね。
落ちているドングリを拾うと、小さな穴が開いているものがあります。これは脱出口といって、ドングリ虫がこの穴から外に出た跡なんです。
ドングリ虫はドングリの中で卵からかえって幼虫になり、ドングリを食べて育ちます。そしてさなぎになる前に脱出口を開けて外に出ます。
ドングリ虫という呼び名は正式名称ではありません。その正体は、ハイイロチョッキリやシギゾウムシなどの幼虫です。いずれも成虫が長い口でドングリに穴を開け、卵を産みつけるのです。
ドングリ虫についてもっと知りたい! という方は、「なぜ?なに?自然の大図鑑!」をご覧ください!
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへハローウッズの森で生まれる様々な木の実や枝をつかったクラフト。森のカレンダー(写真左)やフォトフレーム(写真右)をはじめ、いろんなモノが作れます。いつのまにか夢中になり、楽しめるクラフトの時間。世界に一つだけの作品作りに挑戦しましょう。
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