CBR Stories
新開発の直列4気筒エンジンを搭載した
スーパースポーツのフラッグシップモデル
1987年に誕生したCBR1000Fは、新開発の高性能エンジンを搭載した新世代のスーパースポーツモデルです。
それまでのHondaの大型スーパースポーツモデルは、1984年に誕生した水冷・4ストローク・V型4気筒1000ccエンジン搭載のVF1000Rがフラッグシップの役割を担っていました。
V型4気筒エンジンは、Hondaの独創性と先進性を併せ持ち、世界耐久選手権で活躍するなど、高性能でレーシングイメージも高かったのです。
一方、1983年に登場した直列4気筒エンジンを搭載したCB1100Fは空冷方式のため、水冷のV4エンジンに比べると先進性に劣っていました。
当時のスポーツバイクファンには低中回転域から力強いトルクがあるV4エンジンを好む人たちと、中高回転域で伸びやかなサウンドが楽しめる直列4気筒を好む人たちがいました。後者から直列4気筒のエンジンを搭載した新しいスーパースポーツモデルを望む声が高まったのは自然のことでした。そのような市場環境が、CBR1000Fの誕生につながったのです。
そうしてCBR1000F用に新開発したエンジンは、水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒となりました。
CBR1000Fは大型車のメイン市場である欧米を中心に輸出専用車として販売されました。一方日本では、同じく1987年にCBR1000Fの750cc版と言えるCBR750 スーパーエアロが発売されました。
Hondaの750ccクラスのスーパースポーツは、V4エンジンのVFR750Fと直列4気筒のCBR750 スーパーエアロという2車種をラインナップしたのです。
発売から6年経った1993年、CBR1000Fはモデルチェンジしようやく日本でも発売を開始しました。ブレーキシステムには、先進の前・後輪連動ブレーキ(Dual Combined Brake System)を採用。
このシステムは、レバー、ペダルのいずれの操作を行っても前 ・後輪ともに制動力を配分させる安心感を格段に高めたブレーキです。
その後、CBR1000Fは各部の熟成を図り、1996年イヤーモデルが最終モデルとなりました。
CBR1000Fで培ったノウハウは、次世代のスーパースポーツとして1996年に誕生するCBR1100XX スーパーブラックバードにつながるのです。