CBR Stories
サーキットからツーリングまで幅広く活躍した
ミドルクラスのスーパースポーツ
1987年3月、浜松製作所に於いて、ニューモデルCBR600F、CBR750F、CBR1000Fのラインオフ式典が開催されました。そのうちCBR600F/1000Fは、輸出専用モデルです。この2車種は輸出専用モデルとして初めてCBRの車名が付けられた記念すべきモデルになりました。
CBR600Fには、先進のレーシングテクノロジーが反映されています。
車体は、剛性の高いツインチューブフレームを採用し、エアロダイナミクスに優れたフルカウリングを装着。エンジンは、水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ4気筒600ccを搭載し、サーキットでのスポーツ走行を想定した仕様でした。そして、市街地やロングツーリングも楽しむことができるオールマイティな実力を兼ね備えていました。
欧州はさまざまな排気量のクラスのうち、600ccのミドルクラスが特に幅広いユーザーに支持されており、Honda以外のライバル他社からも意欲的なモデルが投入されるなど、競争が激しいカテゴリーでした。
CBR600Fは、総合性能を高めるために継続した熟成と進化を図ったことで、欧米各地で開催されたプロダクションレースで活躍し、ポテンシャルの高さを実証したのです。
一方日本では、1992年にCBR600Fの発売が開始されました。高性能でありながら、扱いやすい車体サイズなどの特徴からスポーツファンの拡大にも貢献、ロングセラーモデルとなり、1999年11月末には生産累計台数31万台を突破するヒット商品に成長しました。
その後、厳しい排出ガス規制に対応するために、PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)を搭載したCBR600F4iを2000年9月に欧州で発表。日本では、2001年3月に発売しました。このCBR600F4iは高い運動性能と環境性能を両立させ、CBRは新時代にふさわしいブランドに進化したのです。