CBR Stories
世界最高水準の性能を実現した
スーパースポーツモデル
1987年に発売したCBR1000Fは、スポーツ走行から長距離ツーリングまで幅広いユーザーを獲得しました。1993年に各部を熟成しモデルチェンジを図りましたが、進化の激しいこのクラスでの優位性は低下しつつありました。
このような背景から、リッタークラスの次期モデルの開発がスタートしました。
当初は、CBR1000Fをベースに軽量化と外観の変更を主体としたモデルチェンジで検討が進められました。CBR900RRで培った軽量化のノウハウをもってすれば、実現可能な事でした。
しかしながら、開発メンバーが技術の検証と入念な市場調査の結果導き出したのは、Hondaを代表するマシンとして、ユーザーと時代が求める真の大型スーパースポーツモデルを造り上げることでした。
CBR1000Fのモデルチェンジではなく、ニューモデルの開発に方針を変えたのです。
開発のキーワードを「The Greatest Super Sport」と決定し、これを達成するための開発目標「Feature 10」を定めました。
その中には、
「空力性能と動力性能の高さが瞬時に感じられるデザインを持つこと」
「感動を呼ぶ加速性能を有すること」
「高速クルージングでもスムーズかつ安定したコントロール性を有すること」
「量産市販二輪車で史上最速であること」
などがありました。
こうした高い目標を掲げた開発チームによる、多岐にわたる研究開発によって、世界最高水準の性能を実現したスーパースポーツモデルとしてCBR1100XX SUPER BLACKBIRDが世に送りだされたのです。
1996年7月4日、ドイツにおいてワールドプレミアのプレス発表会が開催され、同7月下旬にフランスのポールリカールサーキットでプレス向けの試乗会が開催されると、多くのジャーナリストが高速度走行における優れた安定性に驚きの声をあげたのです。
CBR1100XX SUPER BLACKBIRDは、1996年6月に浜松製作所で量産がスタートしました。欧州を中心に1997年モデルとして発売。当初の販売計画は年間7,500台でした。ところが、欧州でのプレス試乗会以降に好意的な記事が各誌に掲載されると、大量の注文が殺到することになりました。なんと初年度の1997年モデルの販売台数は、約18,000台に達したのです。
このモデルはアメリカと日本ではCBR1100XXとして発売されました。アメリカでは欧州と同じ1997年モデルから発売。日本においては2001年3月に発売がスタートし、世界各地のスポーツファンから高い支持を得ました。