CBR Stories
MotoGPのチャンピオンマシンRC211Vの
先進技術を投入したスーパースポーツ
ミドルクラス600ccのスーパースポーツモデルとして1987年に誕生したCBR600Fは、欧米をメイン市場として幅広い層に支持され、そして、量産市販車によるプロダクションレースでも、高いポテンシャルを発揮しました。
2003年、新たに開発されたCBR600RRは、サーキット走行においてさらに高いポテンシャルを発揮させるために、FIMロードレース世界選手権MotoGPクラスのチャンピオンマシンRC211Vに投入された新技術を随所に採用しました。
新開発の水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ直列4気筒エンジンは、低中回転域から高回転域まで力強い出力特性を実現。車体は、RC211Vと同じ構造をもった中空のアルミダイキャストフレームを採用。そして、リアサスペンションにもRC211Vと同様のユニットプロリンクを採用しました。
このHonda独自のサスペンションは、ショックユニットがメインフレームにマウントされない画期的な構造により、サスペンションから伝わるメインフレームへの衝撃を減少する効果がありました。
そして、空力特性に優れたフルカウルもRC211Vの形状を踏襲するなど、市販車であるCBR600RRの全身にレーシングテクノロジーが反映されたのです。
CBR600RRとモータースポーツ
2003年のCBR600RR誕生と同時に、日本ではプロダクションレースに出場するライダー向けにCBR600RR レースベース車を発売しました。
CBR600RRのデビューイヤーとなった2003年のFIM スーパースポーツ世界選手権では、テン ケイト・ホンダチームのクリス・バーミューレン選手がシリーズチャンピオンを獲得。そして、Hondaがマニュファクチャラーチャンピオンに輝きました。
このFIM スーパースポーツ世界選手権では、2003年から2008年まで6年連続でライダーチャンピオンとマニュファクチャラーチャンピオンを獲得し、CBR600RRの高いポテンシャルが実証されました。
日本においても2003年のデビューイヤーは、CBR600RRを駆る小西良輝選手がMFJロードレース全日本選手権のST600クラスでチャンピオンを獲得しました。同クラスでは、2003年から2011年まで9年連続でCBR600RRを駆るライダーがシリーズチャンピオンを獲得し、圧倒的な強さを発揮しました。
Hondaは2010年に新設されたFIMロードレース世界選手権Moto2クラスのオフィシャルエンジンサプライヤーとしてCBR600RRのエンジンを供給。その活動は、2018年までの9年間にわたって継続し、モータースポーツの発展に寄与してきました。
日本におけるCBR600RRの変遷
2005年1月
車体の大幅な軽量化を図り、エンジンは燃焼効率をさらに高めた。
倒立タイプのフロントフォークを採用するなど、総合性能をアップ。
2007年5月
車体とエンジンのさらなる軽量化とスタイリングを一新。
2009年2月
スーパースポーツモデル用として世界初の電子制御コンバインドABSを搭載したCBR600RR<ABS>をタイプ追加。このシステムは、コンバインドブレーキシステムとABSの双方を電子制御化し、より緻密にコントロールすることで、ブレーキング時の安心感を大幅に高めたもの。
2013年3月
新形状のフルカウルを採用。フロントサスペンションの性能向上や新デザインのホイールを採用するなど、さらにアグレッシブなスタイリングに。
2020年8月
MotoGPチャンピオンマシンRC213Vで培った先進テクノロジーを随所に反映。サーキットにおける運動性能を追求しながら厳しい排出ガス規制にも対応したスーパースポーツモデル。
CBR600RRは、プロダクションレースからツーリングまで幅広い用途で楽しむことができるミドルクラスのスーパースポーツモデルとして進化が続いていきます。