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2026.08.28

稲穂が実るハローウッズの棚田で
ハネナガイナゴの動画を撮影!

齋藤 創 齋藤 創

ハローウッズ キャスト

齋藤 創

みなさんこんにちは、モビリティリゾートもてぎハローウッズの齋藤です。夏が深まり、ハローウッズの棚田では、稲の穂が目立つようになってきました。今回は、その田んぼで暮らし、稲を食べて成長するイナゴの様子を動画で撮影したのでご紹介します。

昔から田んぼと関係の深かった昆虫「イナゴ」

イナゴは私たちにとってとても身近な昆虫です。その名を聞くと、バッタと同じような形をした虫の姿をすぐに思い出します。また、食べものとして「イナゴの甘露煮(佃煮)」を思い浮かべる方も多いかもしれません。海から遠い山間部などでは、海産物の代わりにイナゴの甘露煮が、タンパク質やカルシウムなどの栄養分を補う貴重な食糧として昔から食されてきました。

しかし、ちょっと疑問なのは、甘露煮にするのはなぜ「イナゴ」なのでしょう? その大きな理由の一つは、イナゴが田んぼでよく捕れるからです。イナゴは、昔から稲の葉を食べる害虫として農家の人たちに捕獲されてきましたが、その際、そのまま捨てるのではなく、それを食料にすれば、害虫駆除と食糧確保の一石二鳥になることから、イナゴを食べる風習が発達したと思われます。

また、イナゴは比較的動きが遅く危険を伴わず素手で採ることができることも、食用になった理由の一つと言えるでしょう。

イナゴの甘露煮をよく食べる地方としては、海から遠く海産物が少ない長野県や群馬県などが有名ですが、ハローウッズのある栃木県も海に面していないためか、スーパーや道の駅でイナゴの甘露煮が売られているのをよく見かけます。またイナゴの甘露煮には、主にコバネイナゴとハネナガイナゴという2種が使われます。この2種が田んぼによく集まるからですが、どちらの種が多いかは地域によって異なります。

ハローウッズの田んぼはイナゴ天国

ハローウッズの田んぼには、主にハネナガイナゴが生息しています。名前の通り翅(はね)が長いのが特徴です。コバネイナゴは翅が短く、長距離を移動するのは得意ではありません。一方で、ハネナガイナゴは発達した後翅を使ってよく飛ぶことができます。そのため、生息地の変化に応じて新しい環境へ移動しやすいという利点があります。

動画の撮影を始めた8月初旬は、まだ幼虫と成虫が混じって見られました。近づくと、人の気配を感じた時に「パッ」と飛び立ち、中には数メートル先まで移動してしまうものもいます。

ハネナガイナゴは不完全変態の昆虫なので、幼虫はイモムシのような姿ではなく成虫とほぼ同じ姿をしています。初齢幼虫(卵から生まれたばかりの状態の幼虫)から5回ほどの脱皮を経て成虫になります。
最初は全身が淡い緑色ですが、成長して脱皮を繰り返すと、緑色が濃く、背中側が褐色になっていきます。

ハネナガイナゴは比較的湿った環境を好むとされ、田んぼ以外にも休耕田や湿性草地でもよく見られ、多様な環境に適応します。ハローウッズの棚田は周囲を森に囲まれ、水が豊富なうえに田んぼの間に湿性草地となった休耕田も挟むため、ハネナガイナゴにとっては暮らしやすい環境なのでしょう。

もちろん、稲を食べるという点では困りものです。農家の皆さんは、稲を守るためにハネナガイナゴを駆除せざるをえません。しかしハローウッズではイナゴの駆除は行いません。ハローウッズの田んぼは稲の収量を最たる目的とはせず、生きものの住処(すみか)になる里山としての環境形成を目的としているからです。たくさんのイナゴが生息することで、鳥類、カエル類、カマキリ類、大型のトンボ類といった生きものたちに、安定的に食物資源を供給することになります。

今年の棚田でも、稲の葉の上にたくさんのハネナガイナゴが見られるようになりました。そっと近づいて観察すると、葉をかじる様子や、美しい緑色の体、長く伸びた翅をじっくり見ることができます。近づきすぎるとあっという間に飛び去ってしまいますので、ぜひ少し離れたところから観察してみてください。

秋に向かって稲穂が実り始めるこれからの季節、ハローウッズの田んぼはまさに「イナゴ天国」です。
稲の成長とともに、そこで暮らす小さな生きものたちの姿にも目を向けていただければ、棚田の風景がより一層おもしろく見えてくるかもしれません。それではまた、ハローウッズでお会いしましょう。

【番外編】ハローウッズの田んぼを彩るもう一種のイナゴ

ここまで、ハネナガイナゴを紹介しましたが、ハローウッズの田んぼでは、もう一種類のイナゴ、ツマグロバッタ(ツマグロイナゴ)もたくさん観察することができます。田んぼの間の休耕田によく見られ、田んぼ内にもやってきます。お隣の埼玉県では、湿地草地の指標とされ、希少種としてレッドデータブックに掲載されています。

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