


2026.06.26
ハローウッズ キャスト
齋藤 創
みなさんはじめまして。4月からキャストとしてハローウッズに加わった齋藤 創(さいとう そう)です。保全計画の立案やモニタリング調査を主な仕事としながら、今後、この場で自然や生きものについての面白いお話や動画をご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
6月に入り、いよいよ初夏です。ハローウッズの森では木の葉が茂り、コナラやクヌギの樹液にカブトムシやクワガタが集まるようになってきました。でも、実は初夏こそ、田んぼ・湿地・小川などの水辺で観察したい生きものがいます。そう!それはトンボの仲間です。
トンボの幼虫であるヤゴは、水のある場所で暮らしています。その多くが、初夏になると水から出て、翅(はね)を広げて成虫になります。秋によく見るアキアカネでさえ、実は初夏に羽化しているのです。
では、初夏にはどれくらいのトンボが見られるのでしょうか。6月初め、ハローウッズの森にある水辺(湿地や池、田んぼ)を歩いてみました。すると、たった2時間で11種類のトンボを見つけることができました。ハローウッズではこれまでに47種類のトンボが見つかっていますので、ほんの短い時間で全体の4分の1近く(23.4%)にあたる種類を確認できました。
冒頭の動画は、そんな初夏のハローウッズで見つけたトンボたちを撮影したものです。11種類すべてとはいきませんでしたが、多様なトンボの姿を観ることができますので、ぜひご覧ください。
動画ではトンボたちのいきいきとした姿をご覧いただけますが、ここであらためて6月初めのハローウッズで見つけた11種類のトンボたちをご紹介しておきましょう。
ホソミオツネントンボ
ニホンカワトンボ
モートンイトトンボ
ホソミイトトンボ
クロスジギンヤンマ
コオニヤンマ
コサナエ
ヤマサナエ
ムカシヤンマ
シオカラトンボ
シオヤトンボ
日本には約200種類のトンボが生息していると言われています。ハローウッズではこれまで、その中の47種類が見つかっているわけですから、日本の中でも極めて多くの種類のトンボが住んでいる場所のひとつと言えるでしょう。
シオカラトンボのヤゴは、池や田んぼに住みます。ニホンカワトンボは小川のように水が流れる場所に住んでいます。「生きた化石」とよばれるムカシヤンマは、水がしたたり、こけが生えている崖で見つかります。池の水ぎわに水生植物が生えると、クロスジギンヤンマのように水草のくきに卵を産むトンボも住むことができます。
ハローウッズと言えば約415ヘクタールもある広い雑木林が有名です。その中には上に挙げた場所を含むいろいろなタイプの水辺があります。それこそが、ハローウッズにたくさんの種類のトンボが生息している理由なのです。
田んぼ
流れのある小川
こけが生えている崖
湿性草地
トンボは、童謡「赤とんぼ」にも歌われているように、日本人にとって、とても身近な昆虫です。8世紀のはじめに書かれた古事記(こじき)という古い本では、トンボのことを秋津(あきつ)と呼び、日本のことを「秋津の国」、つまりトンボの国と書いています。これは、日本にはたくさんのトンボが住んでおり、トンボは田んぼの害虫を食べて米がよく穫れるようにしてくれる、守り神のような存在だと考えられていたからです。
また、トンボは前に向かってまっすぐ飛び、飛びながら他の虫をつかまえることから「勝ち虫」とも呼ばれ、縁起の良いものとされてきました。このことから、武士の鎧(よろい)や兜(かぶと)、刀の鍔(つば)などには、よくトンボの絵柄が使われています。
虫が苦手な人でも、トンボなら大丈夫という人は多いと思います。この夏、モビリティリゾートもてぎを訪れた際には、ハローウッズの森の水辺に住むトンボたちにも目を向けてみてください。