


2026.03.26
ハローウッズ キャスト
奥山 英治
春が近づき、田んぼの水が温んでくると、エサを求めていろんな生きものたちが集まってきます。そしてそこで繰り広げられるのは、自然を生き抜くための厳しい生存競争。ハローウッズのセンサーカメラが、そんな彼らの姿を捉えました。
ハローウッズ周辺の里山では、少しずつ春の様子が見え始めてきています。日の当たる田んぼや風が弱い野山では小さな花たちが咲き始め、それを待っていたかのように、越冬していたチョウも飛びまわっています。
そんな中、ハローウッズの田んぼでは、春一番に産卵期を迎えるアカガエルたちが動き始めました。私たちは毎年、センサーカメラ(動くものをセンサーがキャッチすると自動で撮影するカメラ)を設置して産卵の様子を撮影しているのですが、そこにはカエルたちだけでなく、生きるために水辺に集まるさまざまな生きものたちが映っていました。
(※アカガエルのお話は、バックナンバー「森の達人に学ぼう 早春の田んぼで求愛し、産卵するアカガエルの姿を動画で撮影しました!」をご覧ください)
水を張ったハローウッズの田んぼ
設置すれば動くものを自動撮影できるセンサーカメラ
アカガエルは早春の時期から田んぼや浅い池、流れのない水路などの水場に集まり、繁殖行動を始めます。先にオスが現れて求愛のために盛んに鳴き、それに惹かれてメスも集まります。そしてカップルになって産卵を行うのですが、すべてのカエルが順調に産卵できるわけではありません。集まったカエルたちを狙って大きな生きものたちも集まってくるからです。
センサーカメラに写っていたのはアオサギでした。全長1m弱、翼を広げると1.5mにもなる大きな鳥です。昆虫、カエル、トカゲなどの小動物から、川の魚(ウグイ、ドジョウ)、ネズミや他の鳥のヒナまで何でも食べる肉食性です。センサーカメラの映像を確認すると、アオサギは昼も夜もなく毎日のように現れて、カエルやドジョウを食べていました。
アオサギ:体は水色ががった灰色で、目の上に入る黒いラインが目立ちます
捕食時の特徴として、捕まえたカエルを何度も水で洗う様子が確認できました
センサーカメラは、夜の田んぼでも活発に活動する生きものたちを捉えていました。最初に現れたのはニホンイタチです。川や湖沼、湿地、沢などの水辺で活動するため、手足の指の間には蹼(みずかき)があり、泳ぎを得意としています。ネズミやカエル、魚、昆虫類など肉食中心ですが、木の実など植物性のエサも食します。夜の田んぼでは、しばらくガサゴソと水辺をあさって去っていきました。
次に映っていたのはカルガモのカップルです。鳥類は夜、木の上で休んでいるイメージですが、カルガモは主に昼間休んで、夜エサを求めて動きまわることが多い鳥です。夜の田んぼでも盛んに水面から水中をついばむ様子が捉えられました。
センサーカメラが捉えた夜の生きもの:二ホンイタチ
センサーカメラが捉えた夜の生きもの:カルガモ
ハローウッズの田んぼでは、アカガエルの卵塊(らんかい:同時に産卵された卵が卵膜などにより一つの塊状となっているもの)が、ここ10年の平均で360個確認されています。蛇などに全部食べられてしまわないよう、多くの数を産んでふ化する卵が残るようにしているのです。
一見、のどかに見える里山や田んぼの風景。しかしそこでは生きものたちの熾烈な生存競争が繰り広げられ、そのバランスの中で生態系が維持されています。田んぼに設置したセンサーカメラは、そんな自然の過酷な一面を私たちに見せてくれるのです。