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2025.11.25

松ぼっくりの不思議な性質を
動画で撮影しました!

奥山 英治 奥山 英治

ハローウッズ キャスト

奥山 英治

秋は「実りの秋」と言って多くの植物たちが実を付けてタネを落とす季節です。実のつけ方やタネの落とし方は植物によってさまざまですが、今回は松の木の実「松ぼっくり」に注目して、その不思議な性質を動画で撮影しました。ぜひご覧ください。

ヘリコプターのようにクルクル回って落ちる松のタネ

上の映像の中で、空中をクルクル回ってゆっくり落ちてくるのは、松ぼっくりから離れて飛んだ松のタネです。松ぼっくりは鱗(うろこ)状の「松かさ」が集まってできていて、松かさと松かさの間に2個ずつタネが入っています。松ぼっくりの種類や大きさにもよりますが、一つの松ぼっくりに、多いもので50粒以上のタネがつきます。

この松ぼっくりが晴れた日に風を受けると、松かさの裏にあるタネが風の力で離れて飛んでいきます。そして面白いことに、このタネには薄いセロハンのような羽がついていて、ヘリコプターのようにクルクル回りながら落ちることで、落下スピードをゆるめてできるだけ遠くに落ちるようになっており、強い風に乗れば舞い上がってだいぶ遠くまで飛んでいくことができます。

こうして松の木は少しでも遠いところへ、また広い範囲に子孫を残そうとしているのです。

松のようにタネに羽をつけて遠くまで子孫を広げようとする植物は他にもあります。楓(かえで)の仲間などです。松と違って実そのものに羽がついている翼果(よくか)なので、外からでも羽のついた実が見えて分かりやすい構造です。

いろいろな方法でタネを遠くに運ぶ植物たち

羽と風の力を使う松や楓のほかにも、植物はいろいろな方法でタネを遠くに運んでいます。綿毛をつけて風に乗り遠くまで飛ぶタンポポのタネ、鳥や動物たちに食べられ運ばれてフンから出てくるアケビのタネ、トゲトゲで動物の体にくっついて運ばれるオオオナモミのタネなど。面白いものでは、クルミやドングリ、クリなどはネズミやリスがエサを貯蔵する性格を利用して、土の中に埋めてもらい、食べ残しや放置されたものが発芽します。

雨が降るとかさを閉じてタネを守る松ぼっくり

さて、松ぼっくりのお話に戻りましょう。松のタネは風に運ばれると言いましたが、このとき雨が降っていると、羽が濡れて遠くまで飛ぶことができません。そこで松は、空気中の湿気が多くなって雨を感じると、松かさを閉じてタネを隠してしまいます。松ぼっくりのかさが閉じたり開いたりするなんて、知らなかった人も多いでしょう。今回は、雨が降って松かさが徐々に閉じていく様子をタイムラプスで撮影しましたので、ご覧ください。

ちなみに、松の実は冬を生きる小鳥やリスなどの大切なエサとなってます。リスが食べた松ぼっくりは、まるでエビフライのような形をしており「森のエビフライ」と呼ばれています。これが落ちている森にはリスがいる証拠なので、エビフライを見つけたら森のリスに会えるかもしれません。ぜひ探してみてください。

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