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2025.09.25

カマキリの面白くて不思議な行動を
動画で撮影しました!

奥山 英治 奥山 英治

ハローウッズ キャスト

奥山 英治

9月に入って、秋を代表するコオロギ類やバッタ類など夏には目につかなかった虫たちを目にする様になってきました。田んぼや原っぱでは立派なカマキリも見つかります。カマキリは大きな鎌や面白い仕草などで子供から大人まで人気のある虫ですが、今回はカマキリの特性を動画でご紹介しましょう。

必ず目が合ってしまう不思議

カマキリを見つけると、立ち止まって見入ってしまう人も多いと思います。そして彼らの顔をよく見ると、いつも眼がこっちを向いている、目が合ってしまうという不思議な現象に気づいた人もいるでしょう。上の動画はそんなカマキリの眼の様子を動画でとらえたものです。大きな眼の中にある小さな黒目が、ずっとカメラを追いかけています。これは一体どういう事なのでしょう?

カマキリは単眼(たんがん)と複眼(ふくがん)という2種類の眼を持っています。単眼は触覚と触覚の間にある3つの眼で、これは明るさなどをとらえる眼です。
複眼とは小さな眼の集合で、カマキリの場合、個眼(こがん)という六角形の筒状の小さな眼が数万個集まってできていると言われており、左右で約360度見渡せるほど顔から飛び出るように顔の両側に付いています。

小さな個眼の集まりである複眼には、人間の眼のような黒目があるわけではありません。黒目が人を追いかけてくるように見えるのは、ちょうど人の正面に向いた筒状の個眼の奥の暗い部分が見えるためで、カマキリが眼を動かして人を追っているわけではないのです。この現象を擬瞳孔(ぎどうこう)と言います。ちなみに、複数の人がそれぞれ違う方向から1匹のカマキリを見ると、それぞれの人が疑瞳孔を目撃し、全員が「カマキリがこっちを見てる」と思うことになります。

一生懸命カマの手入れをする不思議

カマキリを見ていると、頻繁に顔を前足のカマで撫でで、そのあとカマを口で舐めているのが分かります。カマにはブラシ状の毛が生えていて、これで顔や触覚の汚れを拭き取り、最後に口でカマの汚れを舐めとっているのです。とてもキレイ好きな虫だと言えなくもないですが、この行動は、獲物を見つけて捉える大切な道具である眼とカマを常に良い状態に保っておくために重要なことなのです。

次の動画は、カマキリが一生懸命カマの手入れをしている様子を撮影したものです。触覚や腕などその仕草は猫のようにも見えますね。

カッコつけたポーズをとる不思議

最後に観ていただくのは、人に向かってカッコつけたポーズをとるカマキリの様子です。しかしこれは決してカッコつけてるわけではなく、カマキリが天敵に出会ったときや獲物を見つけたときにとる「威嚇」のポーズです。カマを体の前に構えている様子はボクシングのファイティングポーズのようにも見えます。

いかがですか? カマキリという虫がどんなに個性的で表情豊かな虫なのか、分かっていただけたと思います。この秋カマキリを見つけたらじっくり観察してみてはどうでしょう? 面白い仕草が見られるかもしれませんよ。

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