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2025.03.26

早春の田んぼで求愛し、産卵する
アカガエルの姿を動画で撮影しました!

奥山 英治 奥山 英治

ハローウッズ キャスト

奥山 英治

三寒四温という言葉があるように、寒い日、暖かい日が交互に訪れるようになりました。こうなると、もう春はそこまできています。今回はそんな早春の田んぼで見かける、アカガエルの求愛や産卵、ふ化について、ハローウッズの田んぼで撮った動画を交えてご紹介します。

2月のまだ寒い時期から田んぼに響くアカガエルの鳴き声

アカガエルは、本州なら2月のまだ寒い時期から卵を産み始める、カエルの中でも最も早く産卵するカエルです。本州にはニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種類が生息していますが、外見はほとんど見分けがつかないほどそっくりです。でも、ヤマアカガエルは「ニャニャニャニャン」とよく通る鳴き声、ニホンアカガエルは「キュクク」とこもるような声なので、鳴き声で区別できます。

アカガエルはまだ寒い時期に冬眠から目覚め、田んぼや浅い池、流れのない水路などの水場に集まり、オスがメスにアピールするために鳴き始めます。繁殖行動の始まりです。

ハローウッズの棚田には一年を通して田んぼに水が張られているので、水を張っていない周りの田んぼより早くからこの繁殖行動が始まります。オスが一斉に田んぼに集まり、待ってましたとばかりに鳴き始めるのです。これにちょっと遅れてメスも田んぼに集まり、オスとメスでカップルを作っていきます。

アカガエルがこのようにまだ寒い時期から繁殖を行うのは、寒くてヘビなどの天敵が活動できず襲われる心配がないためだと言われています。

オスとメスがカップルになると、メスのタイミングで産卵を始めます。1匹のメスは一度の産卵で800~2,000粒の卵が入った卵塊(らんかい:同時に産卵された卵が卵膜などにより一つの塊状となっているもの)を産みます。ハローウッズの棚田では、少ない年で200、多い年で900近くの卵塊を今までに確認しています。

田んぼで卵からかえり成長して大人になるアカガエルは、里山の生態系の中で大きな役目を果たしています。いろいろな生きもののエサとして重要な位置にいるのです。一回の産卵で1,000粒産んだとしても、大人になるまで育つのはほんの一握りです。こんなにたくさんの卵を産むのも、それを見越しているのではないかと考えられます。

田んぼで産卵し、田んぼで育つカエルはアカガエルだけではありません。この後に続々と他のカエルが産卵に訪れ、それは初夏まで続きます。田んぼは人の作った場所ではありますが、カエル達にとって欠かせない子育ての場所にもなっているのです。

これから田んぼの水張りが各地で始まります。近くの田んぼに出かけカエルやオタマジャクシの様子を覗いてみましょう。たくさんいるところは自然豊かな場所に違いないでしょう。

※アカガエルについては「田んぼのアカガエルのなぜ?なに?編」でも詳しくご紹介しています。

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