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  • 2022.12.16

昨年間伐したコナラの森のその後を見てみよう!

昨年間伐したコナラの森のその後を見てみよう!
森の達人より
こんにちは!「モビリティリゾートもてぎ」にある自然体験施設「ハローウッズ」のキャストリーダー和田です。昨年の冬、ハローウッズでは「ナラ枯れ」という樹木の伝染病を防ぐために、森の中でも太いコナラが生えるエリアを中心に伐採を行ないました。翌5月には切り株から3本の芽が出たのが確認できましたが、今回はその後の切り株の様子をはじめ、森の変化を紹介します。
和田 誠
ハローウッズ
キャストリーダー和田 誠
モビリティリゾートもてぎの自然体験施設
「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ナラ枯れ対策の伐採を行なったハローウッズの森

この「森の達人」では、昨年11月にナラ枯れ対策としての森の間伐について、また今年5月にはその後の森の様子について、記事をお届けしてきました(森の伐採によるナラ枯れ対策を学ぼう!伐採することで若返るコナラの森の様子を知ろう!)。今回もその続編ということになりますが、まずは「ナラ枯れ」についておさらいしておきましょう。

ナラ枯れとは、ナラやカシ、シイ類の樹体内にカシノナガキクイムシが入り込み、持ち込んだナラ菌によって最終的には木が枯れてしまう伝染病のことです。ナラ枯れが広がると、土壌を支える力が衰えて土砂崩れの危険が高まるだけでなく、樹木の恩恵を受けているさまざまな生きものたちにも多大な影響を及ぼすことから、ナラ枯れの発生を防ぐことはとても重要です。

そこでハローウッズでは、昨年の冬、ナラ枯れになりそうな高齢化・大径化した樹木の伐採を行ないました。人間と同様、樹木も歳をとると生命力が弱まり病気になりやすくなるので、森の中でも樹齢の古いコナラが生えるエリアを中心に伐採を行ない、森の若返りを図ったのです。

それから約1年が経過した今、森には少しづつ変化が現れはじめています。冬を迎えて緑が減ったので分かりにくいのですが、5月のころの写真と11月下旬の写真を比べると地面の地肌が見えるエリアが減っています。地面に生える草の量が増えて、背丈が1m以上高く伸びている草もあります。直径30㎝以上の大径木を切ったことにより、それまで大木が遮っていた太陽の光が地面に多く注ぐようになったことで、草地が拡大した様子です。

萌芽更新で新しい芽が育つ森

次に、伐採した木の切り株を見てみましょう。一般的に、樹木を切り倒した後の切り株には切り口や側面から新しい芽が出てきます。これを萌芽更新(ほうがこうしん)と言い、これによって樹齢の古い木が新しく若い体に生まれ変わります。ただ、すべての切り株が萌芽するわけではなく、生命力の弱まった古い木ほど萌芽しずらくなります。

5月に確認した際には、3株だけ萌芽した切り株が確認できました。その後、順調に成長した芽もありますが、残念ながら3株のうち1株は枯れてしまいました。枯れてしまった原因ははっきりとはわかりませんが、通常樹齢30~40年で萌芽能力が衰えるといわれるコナラの木なので、今回はそれ以上の樹齢の萌芽だったうえに、自然環境からの負荷に耐え、成長させるだけのエネルギーが無かったのかもしれません。残念なことではありましたが、他の2株は順調に枝葉を伸ばし成長した様子が確認できました。また他の株に目を向けると、嬉しいことに5月の段階では確認できなかった萌芽を新たに4株見つけることができ、合計6株が今年の萌芽更新株数となりました。

自然更新でも育つ新たな樹木の芽

樹齢の古い大径木が多かったということもあって、萌芽更新の割合は10%も満たない状況ですが、切り株の周りをよく見ると、今年の春に種子から芽が出て成長したと思われる幼樹が高い密度で分布していることが分かり、驚かされました。伸びた草花と同じように、太陽の光が届くようになって芽吹きの条件が良くなったのか、コナラやクヌギのドングリの木、シデやカエデの仲間などの実生木(みしょうぼく:種子から発芽したばかりの樹木)が生えています。

伐採後1年目で萌芽更新ほどの成長の勢いはありませんが、多種多様な実生木がこれから天然更新で着々と森を形成していくと思うと、これまでの萌芽更新による森づくりとは違った植生の変化、やってくる生きものたちの変化が現れることに対する期待が広がります。

そしてまたこの冬も萌芽更新のための伐採の時期がやってきました。今回の伐採地も前回同様にコナラやクヌギの大径木が多くあるアカネズミの広場。ハローウッズの本格的な伐採が始まって20年、これまでの萌芽更新による循環させる森の手入れと天然更新による森づくりと新しいステージ、新時代に入っていきます。

●コナラ以外の実生木
ハローウッズの森では、コナラ以外にもさまざまな樹木の実生木が育ちつつあります。最後に、それらの一部をご紹介して今回の記事を終了しましょう。

モビリティリゾートもてぎの自然体験施設「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。

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森づくりワークショップ ~伐採と集材~

  • 森づくりワークショップ ~伐採と集材~
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    森の木をチェンソーで伐採し、薪や炭などに活用するために玉切りして集材します。伐採場所には光が入り、翌春には切り株から新しい芽が出て再び成長し森は再生します。循環して保たれる環境と豊かな生命の育みを実感してみましょう。

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道路沿いの斜面に四季折々の花が咲く
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埼玉県朝霞市にある本田技術研究所ライフクリエーションセンターは、発電機や船外機、耕うん機などHondaのパワープロダクツの開発を行っています。その敷地はHondaWoods朝霞の森が外周を覆い、四季折々の花が咲いて道行く人の目を楽しませています。

(株)本田技術研究所 ライフクリエーションセンター
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埼玉県朝霞市泉水3-15-1

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