最近は、キャンプブームとともに焚き火もポピュラーになってきました。
焚き火の炎はじんわりと温かいし、じっと見ているとなぜか心が落ち着きます。みなさんも焚き火の炎に、どこか懐かしさや心の温もりを感じたことはありませんか。
ハローウッズがある茂木の森はかつて「薪炭林(しんたんりん)」と呼ばれた、薪や炭を作るために木材を採取してきた森林です。ハローウッズでは現在でもクヌギやコナラなど、採取した森の木から薪や炭を作っていますが、木材を得るために木を伐採したり地面の落ち葉や木の枝を採取することは、森の陽当たりや風通しを良くして、森を育てることにつながります。こうして里山の人々は森を育てながら、その森から生活に欠かせない資源を得ていたのです。
また、薪や炭を燃やしたときに出た二酸化炭素は、植物が成長する過程で大気中から吸収します。だからトータルで見ると大気中の二酸化炭素は増えない(このような考え方を「カーボンニュートラル」といいます。)ということになり、化石燃料を燃やすよりも地球環境にやさしい燃料ということができます。
ハローウッズのキャンプでは間伐材を利用した薪や、自分たちで拾った枝なども薪にして暖を取ったり調理をしたりしています。そうすることで昔の里山の暮らしを体験してもらうのですが、いざ焚き火をしようとしても、なかなか火がおこせなかったり、すぐに火が消えてしまったり…。失敗することで、火のありがたさや大切さも体感してもらっています。
みなさんのなかにも、アウトドアで焚き火をしようとして火がつかなかった経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。そこで今回は、薪の選び方や火おこしの方法など、森の達人が失敗しない焚き火の方法を伝授しましょう!
焚き火をするには、まず薪にする木の枝を拾い集めることから始めましょう。
昔話の桃太郎に出てくるおじいさんは「山へ柴刈りに」行っていましたが、柴刈りとは、森の木の枝や小さな木を刈ったり拾ったりして集めること。おじいさんも、薪にする木の枝を集めに山へ行っていたのです。
では、薪を集める場合にはどのような木の枝を拾えば良いのでしょうか。薪選びポイントをご紹介します。
針葉樹と広葉樹の一番簡単な見分け方は、葉っぱを見ることです。針葉樹は文字通り針のように尖った葉っぱをつけている木が多いです。スギやヒノキ、マツなどが代表的です。広葉樹は卵型など面積が広い葉っぱをつけている木で、クヌギやコナラ、ヤマザクラなどがあります。
葉っぱが付いていない枝の場合は、表面の樹皮で判断します。目安として、樹皮が毛羽立っていて手でめくれる木が針葉樹、樹皮がゴツゴツもしくはツルツルなのが広葉樹と覚えておきましょう(例外もあります)。
薪はホームセンターやキャンプ場でも売られていますが、せっかくのアウトドアですから、少なからず自分で薪を拾い集めることで、自然と触れ合ってみてください。森の新鮮な空気を吸いながら森を歩くのは楽しいし、自分で見つけた薪が焚き火でどんな燃え方をするかを体験すれば、その知識を次の焚き火で活かすこともできますよ。
必要な薪を拾い集めたら、いよいよ火おこしです。
はじめは、針葉樹の細い薪を使って小さな火をおこすのですが、ここでなかなか火が付かないので焚き火に苦手意識を持っている人もいるかもしれません。
でも、大丈夫です。これからご紹介する2種類の薪の組み方を覚えておけば、もう失敗しないはずです。
薪が燃えるのに一番必要なのは空気です。最初に薪を組むのは、火おこしの時から空気の通り道をしっかりと確保しながら、焚き火の中の温度が下がらないようにするためです。
色々な薪の組み方がありますが、まずは2種類を覚えておきましょう。どちらも簡単なので、すぐに覚えられますよ。
着火するときには、便利な着火材や燃えやすい新聞紙などを使う方法もありますが、マッチを使ってみることをお勧めします。マッチ1本から焚き火へと、火が育ったときの達成感は最高ですよ。
※火を扱う時は、やけどに注意しましょう。
組んだ薪に火が付いたら、焚き火を大きくしていきましょう。
はじめは細い薪から、炎の大きさを見ながら徐々に太い薪をくべていくのですが、そのときに適当に投げ込んだのではうまく燃えてくれません。空気の通り道が確保できるように考えながら、うまく隙間が空くように薪をくべていくことが大切です。
また、火の付き始めや薪から煙ばかり出て火力が弱いとき、組んだ薪が崩れしまってうまく燃えないときなどは、うちわなどで灰が舞い上がらない程度に軽く仰いで空気を送ってあげてください。
こうして焚き火から目を離さず、火が消えないように薪をくべながら、だんだんと大きな焚き火に育てていきます。すると、焚き火の中に赤々とした火床ができてきます。火床は焚き火の中心部で、薪が燃えるのに適した温度が保たれています。ここに空気が行くように通り道を確保しながら、火床の近くに薪を供給していけば更に安定した焚き火に育ってくれるはずです。
火が安定してきたら、のんびりとくつろぎの時間です。
焚き火にあたると、焚き火が発する遠赤外線が体を芯から暖めてくれます。さらに、パチパチと薪が燃える音を聞きながら炎のゆらめきを見つめていると、心まで癒されて快適な気分になってきますよね。
これは「1/fゆらぎ」効果といわれ、規則的なものと不規則なものが調和した状態が、癒しの効果をもたらすと知られています。確かに、焚き火の音も炎の揺れも、規則的なようで規則的ではないですね。ほかにも、風に揺れる木々の音、星のきらめき、川のせせらぎ、波の音など、自然界には「1/fゆらぎ」があふれています。
みなさんも自然を感じながら、家族や気心の知れた仲間たちと焚き火を囲んでみてはいかがでしょうか。
※焚き火は必ず大人と一緒に楽しみましょう。
※公園や河原では焚き火が禁止されていたり、キャンプ場などでも直火(地面で直接焚き火をす ること)禁止の場所があります。ルールを守って楽しみましょう。
※焚き火の周りに燃えやすいものを置かず、樹木やテントなどにも燃え移らないよう十分に注意しましょう。
※安全のため水を汲んだバケツを準備し、焚き火が終わったらしっかりと消火しましょう。
※燃え残った薪は自治体やキャンプ場などの指示に従って後始末をしましょう。
今月の「子どもの森の遊び」は、焚き火を使った美味しい焼き芋の作り方を紹介します。是非ご覧ください!
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、みなさんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへ空気の澄んだ冬の森で、焚き火を囲んでぽかぽか暖かいひと時を過ごしませんか?燃えやすい木の探し方や上手な火のおこし方など、焚き火の方法をスタッフがしっかり伝授。火がおきたら簡単なおやつをつくってティータイム。森の中の特別な時間をお楽しみください。
開催日:2020年1月4日(土)5日(日)【日帰り】
申し込み方法:お電話でお申し込みください。
ハローウッズ「森遊び」ページへ
冬のキャンプ、そして焚き火。シンプルがゆえに奥深いこの二つを、森のプロデューサー・﨑野隆一郎と、焚き火の達人・本山賢司さんと語らいながら楽しみます。大きな焚き火を囲み、季節の食材を使った焚き火料理と特設の焚き火バーで乾杯…。贅沢な大人だけのキャンプを楽しみましょう。
開催日:2020年2月15日(土)~16日(日)【1泊2日】、募集締め切り:2020年2月2日(日)。
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革新的生産技術を多数備え、Honda四輪車を高効率生産している寄居完成車工場。敷地の東側と西側には、里山の森を活かしたビオトープが設置され自然環境の保護・創出が行われています。また、西側ビオトープ内に整備された田んぼでは、地域の方々をお招きして田植え・稲刈り体験など地域共生イベントが積極的に行われています。
埼玉県大里郡寄居町富田2354