


2025.05.29
ハローウッズ キャスト
奥山 英治
5月も後半になってくると、関東地方ではほとんどの田んぼが田植えを終わらせています。水を張った田んぼはカエルたちの絶好の産卵場所なので、これから本格的な夏に向けて田んぼは大賑わい。夜になれば、カエルたちの鳴き声がうるさいくらいに響き続けます。
ハローウッズやその周辺でも、田んぼに水が張られると、それまで田んぼの周りで暮らしていたカエルたちが田んぼの中に入ってきました。代表格はヒガシニホンアマガエルですが、そのほかにトウキョウダルマガエル・シュレーゲルアオガエル・ツチガエル(イボガエル)などもいます。
ヒガシニホンアマガエル
トウキョウダルマガエル
シュレーゲルアオガエル
ツチガエル
こうしたカエルたちにとって、これから夏にかけてが本格的な産卵期に当たります。アマガエルとシュレーゲルアオガエルの産卵期は4月~6月、トウキョウダルマガエルが4月下旬~7月、ツチガエルが5月~9月と言われており、田んぼはカエルたちの長い産卵期を迎えるのです。
今回は、そんな産卵期に入ったヒガシニホンアマガエルの産卵の様子を動画に収めました。
夜の田んぼでまず探したのは、盛んに鳴いてメスを探すオスのカエルです。鳴くことでメスに存在をアピールして、カップルになることを目指しているのです。
夜の田んぼで鳴くアマガエル
アマガエルは喉を膨らまして音を出します。早口でゲッ・ゲッ・ゲッと続けた感じに聞こえます。
オスは田んぼの畔で、ひたすらメスが現れるまで場所を変えたりして鳴きます。
メスが寄ってきたら、オスはメスの上におんぶしてカップル成立です。そのまま田んぼの中に入り、浮きながらオスは腕に力を入れたり、足を動かしたりしてメスに産卵を促します。メスは卵を出す準備ができると腕・足を広げるように伸ばしその後、体をそらせお尻を水面から上に上げるようなポーズをとりお尻の穴から卵が出てきます。その瞬間オスは精子を出し足で受精します。この一連の動きは素早く終わります。卵は一度に10粒くらいで、これを何度も繰り返します。およそ300粒程度何度も場所などを変えて産みます。
オスがメスの上に乗ったら産卵の始まり
メスがお尻を水面の上に突き出すと卵が産まれます
1回に出てくる卵は10粒ほど。これを何度も繰り返します
産まれて2日目の卵。早くもオタマジャクシの形が見えてきました
さて、産まれた卵ですが、粘着質に覆われていてすぐに稲や落ち葉などに張り付きます。驚くのはその成長の早さです。卵から3日ほどでオタマジャクシへと成長します。その後、約1ヶ月かけてカエルになります。
近くの田んぼで夜に観察してみてください。おんぶしているアマガエルがいたら、産卵の様子が見ることができますよ。
※カエルは全て皮膚に毒を持っています。それは攻撃のための毒ではなく、自分の皮膚を守るための毒です。強い毒ではありませんがカエルを触った時は必ず手を洗うようにしましょう。