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2024.02.27

繁殖期になると動くものに抱きつく
アズマヒキガエルのオスを撮影しました。

奥山 英治 奥山 英治

ハローウッズ キャスト

奥山 英治

皆さん、カエルのオスは面白い習性を持っていることをご存じですか? 繁殖期になると、メスと間違えて動くものに何でも抱きつくのです。今回は、その習性を利用して自分の腕に抱きつかせるシーンを動画で撮影しました。

※注意:アズマヒキガエルは毒を持っています。この映像は専門家が毒に注意しながら慎重に行なったものです。皆さんは素手でアズマヒキガエルを触らないようにしてください。

2月になると冬眠から覚めて繁殖期に入るカエルたち

上の映像に出てきたのは、ハローウッズの周辺に生息するアズマヒキガエルです。日本に生息するヒキガエルの仲間は、西日本に住むニホンヒキガエル、東日本に住むアズマヒキガエル、渓流に住むナガレヒキガエル、宮古島に生息するミヤコヒキガエル、沖縄や南の島に住む外国から入ってきたオオヒキガエルの5種類。中でもアズマヒキガエルは、体長15cmを超えるものもいる比較的大型のカエルです。
通常は森ややぶ、民家の庭の茂みなどに住み、ほとんど水には入りません。冬になると土の中で冬眠し、じっと春を待っています。2月になると冬眠から覚め、すぐに繁殖期を迎えます。カエルの仲間で最も早く繁殖活動を行なうのはアカガエルの仲間で、これが2月の中旬ごろ。アズマヒキガエルはその後を追いかけるように、2月下旬ごろから繁殖を始めます。
産卵場所になるのは公園やお寺、一般住宅の池などある程度水深がある水たまりで、冬眠から目覚めたオスはこうした場所に移動して、鳴きながらメスが来るのを待ち、現れたメスの背中に飛びついて交尾を行ないます。

この水辺での求愛行動の際、1匹のオスがメスを求めて鳴き出すと、他の仲間もその鳴き声を頼りに集まります。なのでメスがやってくると飛びついて抱きしめるので、オスがオスに飛びつくことも珍しくありません。そんな時、飛びつかれたオスは「ククク」と鳴いて「私はオスだよ」とアピール。すると抱きついた方はすぐに離れます。

1匹のメスが2,000~10,000の卵を産むアズマヒキガエル

ヒキガエルの卵嚢(らんのう)は細長く紐状の寒天質の袋で、その中に2,000粒から10,000粒の卵が入っています。何匹ものメスが産卵すると、たちまち池は卵で埋め尽くされてしまいます。

やがて卵は成長し10日ほどでオタマジャクシが生まれます。そして4月下旬から5月にかけてごくごく小さなカエルの姿になり、池から一斉に上がって陸の生活へ。1年もしないうちに立派な大人のアズマヒキガエルへと成長していきます。

※ヒキガエルの毒
ヒキガエルは、体のイボと目の横にある膨らみ(毒腺)から白い液体を出します。これはヒキガエル特有の毒でブフォトキシンと言います。かなり強い毒なので、触らないように気をつけましょう。もし触ってしまった場合は、必ず手を洗うようにしましょう。(ヒキガエルは滅多なことでは毒は出しません。動物など敵に襲われたりした時に出します)

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