元気な森を次世代のために、地域のために。
HondaWoods

HondaWoods

  • 森に行こうよ!TOP
  • 森の達人に学ぼう
  • 子どもの森の遊び
  • なぜ?なに?自然の大図鑑
  • 森に行こうよ!なぜ? なに? 自然の大図鑑!
  • 2022.01.28

野鳥観察の初級編「カモ観察」のなぜ? なに? 編

野鳥観察の初級編「カモ観察」のなぜ? なに? 編

寒い日が続き、家にこもり気味になっていませんか? 自然界では、クマやアナグマは洞穴などに潜り込んでじっと寝て過ごす冬眠を行い、タヌキやウサギ、キツネなどは寒い冬でも動き回って餌を探します。鳥の中には、夏に山で過ごして冬は里や街などに現れるものや、もっとダイナミックに移動して、夏は涼しい地域にいて冬は暖かい南の地域まで飛んでいくものもいます。そんな鳥の仲間の中から、今回は「カモ」に注目して、カモの種類や特徴をご紹介しましょう。

奥山 英治
ハローウッズ
キャスト奥山 英治

冬の水辺でよく見かける「カモ」のなぜ?なに?

「カモがネギを背負ってくる」「あの人はいいカモだ」など、色々なことわざや慣用句に使われるほど「カモ」は日本人にとって馴染みの深い鳥です。よく見かけるだけでなく、食用として重宝されてきたので、鴨汁、鴨南蛮などの鴨肉料理が好物という方も多いでしょう。
日本で見ることができるカモには、カルガモ、オシドリ、マガモ、コガモ、オナガガモなどの種類がありますが、その多くは渡り鳥だということをご存知でしょうか? マガモやオナガガモは冬になるとロシア東部や極東などから渡来する冬鳥(秋から冬にかけて渡来して越冬する鳥)です。オシドリの多くは北海道や東日本で繁殖した後、冬は西日本に移動して越冬します。カルガモは渡りを行わないものが多いのですが、北方に生息するカルガモの中には、オシドリと同じように冬になると暖かい地方に移動するものが存在します。

こうしたカモの仲間は、冬場の池などでプカプカ漂っている姿をよく見かけます。同じように水面を漂う白鳥のスラリとした姿に比べて、カモの仲間はどれもずんぐりした体形で、あまり運動が得意なようには見えません。しかも、たまに地面を歩く姿を見てもヨタヨタと頼りなさげですからなおさらです。しかし、たとえばマガモの飛行速度は時速70kmにも達するほど、カモの仲間は優れた運動能力を持っています。白鳥の飛行速度が50~60kmと言われていますから、白鳥より速く飛べるのです。また、カモの多くは夜行性であり、昼間は休んでいる時間が長いことも、「カモは鈍い」という印象を強めている理由かもしれませんね。

双眼鏡と観察ノートを持って「カモ観察」にでかけよう!

カモの仲間の多くは水辺を好み、湖や沼、河川、海岸などに群れを成して生息しています。そして夜行性なので、昼間はあまり動かず休んでいます。こうしたことから、カモは冬場の野鳥観察にもってこいの鳥だと言えます。そこで、ここからはカモの観察方法についてご紹介していきましょう。

まずは、街中にある公園の池や川辺などの水辺に行ってみましょう。街中のカモは人間に慣れていることが多いので、少々近づいても逃げたりせず観察しやすいのです。人里はなれて自然豊かな場所に行かなくても街中の公園などで観察できるので、カモ観察は初心者にピッタリというわけです。

次に、野鳥観察と言っても、ただ漫然と観察しても面白くありません。何かしらの目的や目標を持って観察することが大切です。それによって興味が深まり、モチベーションも上がります。そういう意味で、カモ観察で目指してほしいこと、それは、カモの種類やオス・メスの違いを見分けられるようになることです。外見を見てなんとなくカモの仲間だということが分かるだけでなく、「あれはカルガモのオス、あれはマガモのメス」などと見分けられるようになれば、いっそうカモ観察の面白さが広がっていくはずです。

そのために、カモ観察に持って行ってほしいものが2つあります。
第一が、双眼鏡や単眼鏡などの望遠鏡類。カモの姿を詳細に観察するためは、やはりこれは必需品と言えます。そして第二が、コンパクトなスケッチブックやノートなどの「野鳥観察ノート」です。これは、たとえば鳥類図鑑などを持ち込んで図鑑と照らし合わせながら種類を見分けるよりも、まずはじっくり観察して、自分で感じた特徴などを自分の手でノートに書き込むほうが、より深く頭に刻み込まれ、新しい発見も生まれるからです。図鑑を開くのはそれからでいいのです。

この「野鳥観察ノート」には、簡単なカモの輪郭を書いて、見ているカモの色や大きさ・特徴などを書いていきます。また、カモが何をしているのか、様子や行動も書き留めるといいでしょう。あとで図鑑で調べるとき、それがヒントになり探しやすくなります。

カモの生態、オス・メスの違いを観察してみよう!

双眼鏡でじっくりカモを観察していると、実にさまざまな行動や表情を見せてくれることが分かります。せっかく観察するんですから、観察ノートを活用して外見や行動の特徴をどんどん書き込んでいき、図鑑と照らし合わせてカモの種類を覚えていきましょう。

カモの種類を見分ける際には、注意点が2つほどあります。ひとつは、カモのオスとメスでは色や模様が違うということ。これは他の鳥類でも同様ですが、オスはメスの気をひくために目立つ色や模様をしていることが多いのです。

つまりオスのほうが覚えやすい外見をしているということになりますから、まずはオスのほうから覚えていくといいでしょう。

そして2つめの注意点、それは、この外見の違いは繁殖期のもので、それ以外の時期はオスも地味な羽に生え替わり、オスとメスの違いがほとんど分からなくなるということ。マガモやオナガガモで言うと、春から夏のロシアにいる際は派手な羽で過ごし、冬に日本に渡ってくる際は地味な羽になって飛んできます。だから渡来したばかりの時期はメスしかいないように見えて、冬が深まって春の繁殖期に近づいていくと、徐々に目立つオスが増えていくのです。

いかがですか? 今まで知ってるようで知らなかったカモの世界に、ちょっと興味が湧いてきたのではないでしょうか? さっそく近所の池のある公園に行って、カモ観察を始めてみましょう。

ツインリンクもてぎの自然体験施設「ハローウッズ」へ行ってみよう!

ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。

ハローウッズのホームページへ

里山ちびっこ冒険隊 ~はじめての焚き火体験~

  • 里山ちびっこ冒険隊 ~はじめての焚き火体験~
  • 里山ちびっこ冒険隊 ~はじめての焚き火体験~

    落ち葉や小さな枝など森の素材を集めて、自然の中で焚き火体験を楽しみます。 火のおこしかたや管理法など焚き火の基本をスタッフがレクチャーするので、初めての方でも安心してご参加いただけます。

インデックスへ戻る