秋も終盤、夏の間はあんなに多く目にした昆虫たちの姿も、今ではめっきり少なくなりました。それでも、晴れた日には太陽に当たろうと日向に出てきたバッタ類や赤とんぼ、ハチ類などを見かけることができます。そして、そんな虫たちを狙って現れるのが、生きた獲物を捕らえるハンター“カマキリ” です。今回は、種類も多く身近で見つけることができる昆虫界のスター、カマキリに迫ります。
生きた獲物を大きな鎌でがっしりと捕え、むしゃむしゃと捕食してしまう昆虫界のハンター “カマキリ”。そう聞くと、いかにも恐ろしい危険な昆虫という印象ですが、大きな眼のついた三角形の顔を自由に動かす様子や、体を反らして様々なポーズで相手を威嚇する姿にはどことなく愛嬌があり、昔から子どもたちに人気の高い昆虫です。
“カマキリ” というの名前の由来には、「鎌で切る」から来たという説と「鎌を持つキリギリス」から来たという説があるそうですが、そもそもカマキリの鎌は敵を切るための武器ではなく、獲物をがっしり捕らえるためのものです。またカマキリは、色や形からバッタやキリギリスの仲間と思われがちですが、バッタやキリギリスではなく、ゴキブリやシロアリなどと同じ仲間に属します。
カマキリは秋に交尾・産卵を行ない、生まれた卵は翌年の春に孵化します。チョウやガの幼虫はイモムシの姿で生まれますが、カマキリの幼虫は卵からかえった時点でほぼ成虫と同じ姿をしています。そして蛹にはならずに何回かの脱皮を繰り返しながら、真夏から秋にかけて大きく完全な大人へと成長します(不完全変態)。また冬を越すカマキリはおらず、交尾・産卵を終えるとほとんどのカマキリはその数カ月の生涯を閉じます。
世界には、熱帯、亜熱帯地方を中心に約2,400種類のカマキリがいると言われています。日本ではこれまで15種類ほどが確認されていますが、今回はその中でも比較的目にしやすい代表的な5種類をご紹介します。
日本で一番大きい種類で、大きなものはオスで90mm、メスで100mm程度にまでなります。基本的に他の昆虫たちを捕食しますが、時にはカエルやトカゲを食べることも。似た種類にチョウセンカマキリがいます。
オスが50mm、メスが60mmぐらいの大きさになります。他のカマキリに比べて前胸が短く、腹部は幅広く丸みがあります。暖かい地方に多く、緑色の個体ばかりで茶褐色の個体は珍しい種類です。
大きさは40~60mm程度で茶褐色が多い種類です。前足には目玉模様があり、これで敵を威嚇します。
大きさ30mm前後の小さなカマキリ。飛ぶのを苦手とする種類が多いカマキリの中で、ヒメカマキリは動きが敏捷でよく飛び、灯火に寄ってきます。
大きさ20mm前後で日本では最小クラスのカマキリ。成虫になっても翅は小さく飛ぶことはできませんが、非常に敏捷でショウジョウバエなど小さい昆虫を捕まえます。
いかがですか? カマキリがいかに面白く興味深い生きものなのか、分かっていただけましたか? カマキリは他の昆虫たちにとっては恐ろしいハンターですが、私たち人間にとって有害な毒針を持っているわけでもなく、深刻な怪我をするような鋭いハサミや角があるわけでもないので、実は親しみやすい昆虫だと言えます。皆さんもカマキリを見つけたら、ぜひ近づいてじっくり観察してみてください。
※とは言え、急に近づくとカマキリも敵の攻撃だと勘違いして反撃してきます。鎌に触れると痛いですから、彼らを刺激しないよう静かに、そして慎重に扱うようにしましょう。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
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