昆虫たちにとって厳しい冬が訪れます。自然界では、冬を乗り越えることを越冬と呼び、全ての生き物がなんらかの形で越冬します。身近な昆虫たちがどんな形で、どんな風に越冬しているのでしょうか? 冬の寒さに負けず宝探しのような感覚で、外に出て観察してみましょう。きっとドキドキやワクワクが経験できるでしょう。
そもそも越冬する生き物には、大きく分けて2タイプあります。「実は暖かい日は動きたいんだよね~」という性格で、起きているタイプと、もう一つは「お願い春まで寝かせて~」という爆睡タイプです。例えば動物で言うと、ウサギは雪が降ろうと野山を駆け巡って起きているタイプで、クマなどは穴にこもり、暖かくなる春まで寝ているタイプ。このように、生き物によって越冬の形は様々なのです。身近な野生の生き物がどのような越冬の仕方をしているのか、想像して調べてみるのも楽しいものです。
それでは昆虫たちはどうでしょう。どんな形で、どんなところで、どうやって越冬しているでしょうか? 卵で? 幼虫で? サナギで? 成虫で?まずは想像して探してみましょう。そして家の周辺や郊外の里山などで探してみましょう。
肉食で生きた虫を食べるカマキリ。カマキリの種類はほとんど卵で越冬し、春に生まれます。
エノキの木の根元、北側の落ち葉をめくるとエノキを食草とするゴマダラチョウやオオムラサキの幼虫が越冬しています。日の当たらない場所なので動きたくないタイプです。
朽木の中から出てきた大型のカミキリムシの幼虫。冬の間でも木を食べて育ち、春にサナギになり初夏には成虫になります。木の中で動いているタイプです。
アゲハチョウの仲間はサナギで冬を越えます。このサナギから春に生まれてくるチョウを春型と呼びます。同じチョウの種類でも成虫がいたり卵や幼虫・サナギがいたりと色々です。
トンボの中で成虫で越冬する種類は珍しく、このオツネントンボとホソミオツネントンボの2種類です。暖かい日は動き回るタイプです。
ハエやアブの仲間には、成虫で越冬し、暖かいと動き回るタイプが何種類かいます。日の当たる壁や植物などでよくみられます。
チョウの仲間には何種類かの成虫で越冬するものがいます。成虫は暖かいと日を浴びに日なたに出てきますが、餌は食べません。花が咲いていないからです。
バッタの仲間で成虫越冬は珍しく他にツチイナゴが成虫で越冬します。木の下に溜まる日陰の枯れ葉の隙間で見つかります。春まで寝ていたいタイプです。
小さなテントウムシで、枯れ葉や木の皮の隙間などで越冬します。他にも成虫で越冬するテントウムシは多く、種類によって寝ていたいタイプと動きたいタイプがいます。
木の皮の隙間や落ち葉には、背中にハート型のマークのあるエサキモンキツノカメムシが成虫で寝ています。春まで寝ていたいタイプです。
朽木の中からモンスズメバチの女王が出てきました。春に飛び出て巣を作り始めます。暖かくなるまで寝ていたいタイプです。
朽木を割ったりすると木の隙間で集団で越冬しています。とても綺麗なゴミムシですが、ツンとした匂いを出します。春まで寝ているタイプです。
どうですか? すっかり生きものの気配が無くなる秋・冬の田んぼにも、実は土の中でじっと春を待つ生きものたちがたくましく生息しているんです。みなさんも、稲刈りの終わった秋・冬の田んぼで、ちょっと土を掘り返してみませんか?
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