こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。本格的に寒い日が続き、フィールドに出かけるのがおっくうになりがちです。でも風もなく晴れた日には、ハローウッズの近くの田んぼの周りや川沿いを散歩するのも気持ちのいいもの。今回はそんな散歩がてら楽しんだ、川エビすくいとかき揚げづくりのご紹介です。
エビと言えば、赤エビ、車エビ、バナメイエビ、ブラックタイガーなどがスーパーに並んでいます。料亭やレストランに行けば伊勢エビなども出てきますね。これらは海で採れる代表的な食用エビですが、世界中には約3,000種類のエビがいると言われており、その中には川や池などの淡水に生息するエビも数多くいます。
実は日本の川にもたくさんのエビが住んでいて、「川エビすくい」は昔から日本中で行われてきた遊びの一つであり、採った川エビをおやつにするのが子どもたちの何よりの楽しみでした。
こうした食用川エビの代表格は「スジエビ」と呼ばれる種類で、今でも「川エビ」という名称で流通し、居酒屋などで「川エビの唐揚げ」として出されたりしています。小さくて殻が柔らかいため、丸ごと揚げて食べると香ばしい風味豊かな味わいを楽しめます。
一方、ハローウッズの近くを流れる小川ではヌマエビという種類をよく見かけます。正確にはヌマエビ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビなど何種類かいるのですが、食用になるのは主にミナミヌマエビという種類です。体長2~3cmの小さなエビで、西日本を中心に広く日本中に生息しています。ここでは省略して「ヌマエビ」と呼ばせてもらいます。
このヌマエビは、冬になると水草などの足でつかまって隠れられるようなところに集団で潜んでおり、そうやって寒さをしのいでいるようにも見えます。この習性を利用して、昔は川漁師さんたちは「柴漬け漁(しばづけりょう)」でヌマエビを採ってきました。「柴(しば)」とは、細い枝のことで、柴を紐などで束ねて川の中につけておくとヌマエビ類がその中に身を隠すので、何日間か漬けておいて、集まったエビを一網打尽にして捕まえる漁です。今ではすっかり見なくなってしまった方法ですが、今でもその昔ながらの漁法を後世に伝えるために、四国の四万十川などで行われているようです。
さて、今回ハローウッズの近くの川で行なったのは、柴漬け漁ではなく「ガサガサ」です。魚すくい用の網で川の中をガサガサ探る方法で、いたって簡単。以前、このコーナーで記事をご紹介しました(秋・冬の田んぼの水路でガサガサして、カエルやヤゴなどを探してみよう!)。捕まえるポイントは、小川の中の茂った水草の中です。網で水草の中を探るようにすくうと、ヌマエビが入ります。
捕まえたエビは、すぐに食べられるわけではありません。川の中で泥などを吸っていますから、しっかり泥抜きをする必要があります。捕ってきたエビを水を張ったバケツなどに入れて、水を入れ替えながらそのまま2~3日生かしておきます。このとき、エアーポンプがあると理想的ですが、無くてもこまめに水を入れ替えれば大丈夫。入れ替えた水が汚れなくなってきたら、食べ時です。
料理するエビは、生きたまま使います。まずは水に入れて洗いますが、取りやすいようにザルなどに入れて洗います。
水で溶いた天ぷら粉を用意して、エビの水分をキッチンペーパーで押さえて取ってから、天ぷら粉に入れます。
180℃の油に、かき揚げ用容器を使ってエビの入った天ぷら粉を一気に落とし込みます。
揚げあがりに3分ほどかかりますので、そのまま待ちます。グツグツした感じで揚げると空気が入りサクサクになります。
揚げていくうちにエビの色が赤くなってきます。全体がすっかり赤くなったら完成です。
揚げあがったら、塩を軽く振って、熱いうちに食べます。もちろん天つゆでもOKだし、おそばに入れても美味しく食べられます。皆さんもぜひ試してみてください。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへ朽ちた木を割ってクワガタの幼虫を探して捕まえましょう。捕まえた幼虫は持ち帰って成虫までの成長が観察できるように「飼育セットづくり」や「飼育方法の説明」も行います。幼虫を育てて夏にカッコいいクワガタになるように捕獲と飼育に挑戦してみましょう。
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