こんにちは! 日本野生生物研究所の奥山です。やっと秋らしい気候になり、晴れた日にはサイクリング・ハイキングなどに気持ちのいい季節です。里山では木々の紅葉や木の実が実り、中でも実をつけたつる草が目立ちます。その中には食べられる実も多いので、今回は食べられるつる草の実のご紹介と、ジャムづくりに挑戦です。
「つる草」とは、自分では立ち上がらず、他のものに巻き付いたり、寄りかかったり、地を這ったりする植物のこと。名前がよく知られているものでは、観賞用のアサガオやスイートピー、食用のエンドウやゴーヤなどが思い浮かびます。
こうしたつる草の中には秋から初冬にかけて実がなる種類も多く、里山好きの人々にとって、秋は「食べられるつる草の実」を探し歩く大変楽しみな季節になっています。まずは、そんな「食べられるつる草の実」をいくつかご紹介しましょう。
●ヤマブドウ
里山のつる草の実の代表選手が「ヤマブドウ」です。日本では古くからヤマブドウの蔓(つる)で籠(かご)を作るなどが行われ、親しまれてきました。
実は、生で食べるのはもちろん、ジャムやジュースなどに使われます。最近ではワインの原料としても注目され、栽培化も始まっています。
●マタタビ
ネコにマタタビが含まれるものを近づけると、ネコはそれに身体をこすりつけたり、かじったり、まるで「酔った」ような反応を示すことで有名です。そんなマタタビの実も、「食べられるつる草の実」のひとつ。塩漬けにしたり、お酒につけたりして食べると、疲労回復に効くと言われています。
●アケビ
アケビは5月ごろに花が咲き、その後実をつけますが、9月から10月になって熟して皮が紫色になると食べごろです。紫色の皮をむくと、中から白くてプルプルした果肉が現れます。特に種の周りが甘くておいしくいただけますが、種を食べると便秘をしてしまうと言われているので、スイカを食べるときのように、果肉を口に含んでから種だけふき出すようにして食べるといいでしょう。
●サルナシ
サルナシは別名シラクチカズラ、シラクチヅルとも呼ばれ、蔓が非常に丈夫で腐りにくいことから、古くは吊り橋の材料に使われていました。
実はキウイフルーツを小さくしたような見た目で、実際、キウイの原種と言われてます。近年ではミニキウイ、ベビーキウイという名前のスーパーフルーツとして流通しています。
※山や土地の所有者がいる森では、実の採集は行なわないようにしましょう。
※子どもたちだけでは行かず、大人の引率者と一緒に実の採集を行なうようにしましょう。
生食でも十分おいしいサルナシですが、ジュースや砂糖漬けにして食べるのも人気があります。そこで今回は、里山でサルナシの実を採取し、ジャムづくりに挑戦してみましょう。
●林道などを歩いてつるを探します。
茎に赤みのある蔓で、丸みのある葉をつけています。実は小さな毛のないキウイのようで、黄緑色の実がぶら下がるように何粒かがまとまってついています。
実の中でも柔らかいものを選んでかじって見ると、甘くちょっと酸っぱいおいしい味です。いっぱい食べたくなりますが、ここはガマンして実をヘタからつんで採集していきます。
●持ち帰った実を水にさらしてゴミや傷んでいる実を取り除きます。
●ミキサーにかけ、ペースト状にします。
●砂糖を入れて中火で煮込みます。
●熱湯殺菌した瓶にジャムを詰めれば完成です。
※ジャムづくりで火を使う場合は子どもだけでやるのではなく、必ず大人の人と一緒に行うようにしましょう。
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