こんにちは! 日本野生生物研究所の奥山です。皆さんはメダカを見たことがありますか?メダカという名前は知っていても、自然の中で見たことのある人は少ないのではないでしょうか? 今回は、観賞魚として大変人気のあるメダカの採集や観察についてご紹介しましょう。
かつては人間の暮らしに身近な場所で当たり前のように泳いでいたメダカ。童謡にもあるくらい私たちにとって馴染み深い魚ですが、近年は環境の変化などで激減し、自然の中でその姿を見ることが難しくなってきています。
一方、メダカは観賞用として大変人気が上がってきており、近年は密かなブームになっています。それは、色のついたメダカや模様や変わった形など様々なタイプが改良されて作り出され、楽しまれているからです。しかし、もともと日本に生息していた野生のメダカはキタノメダカとミナミメダカの2種類で、これは見た目では判断が難しく、棲む地域で分かれています。
メダカは流れの穏やかな小川や水路、田んぼに生息しています。最新は都市化が進んでそうした水辺が減ったためめっきり姿を見られなくなりましたが、自然が多く残る地域なら、まだまだ見つけることができます。
メダカは群れで行動している魚です。童謡「メダカの学校」は、その群れの様子を歌っています。群れで水面近くを泳ぎ、地上の動きを見て水面に落ちた虫などを食べています。そのために目や口が上を向いた体の作りになっているほど(だからメダカという名前がついたと言われています)。
そんなメダカを小川などで探すときは、これも童謡で歌われているように、そっと覗くように静かに探す必要があります。というのも、野生のメダカは警戒心が強く、地上で影が動くだけでも逃げてしまうので、メダカを驚かさないよう、慎重に近づく必要があるのです。
メダカは急流ではなく流れの穏やかな小川に住んでいるので、子どもたちにとっても比較的捕まえやすい魚です。そこで今回は、メダカ捕りのコツをご紹介しましょう。
まずは流れの穏やかな小川や水路、田んぼでメダカを探します。先に述べたように警戒心が強い魚なので、気付かれないようにそっと覗くようにして静かに探しましょう。
そしてメダカを見つけたら、慌てて捕まえようとしないで、その動きをよく観察しましょう。群れで行動するメダカは1匹が逃げるとみんな逃げてしまいますが、逆にその動きを利用すれば、一度に何匹ものメダカを捕まえることができます。だから、群れがどんな動きをしてどこを泳ぎ回っているのか、まずはその動きをよく見極めるのです。
次に、いよいよ捕獲です。道具としては、魚をすくい上げるための「魚網(ぎょもう)・玉網・たも網」と呼ばれる網が2つと、捕まえた魚を入れる小さなバケツなどの容器があれば十分です。
メダカの習性として、逃げるときは一斉にみんな同じ方向に逃げるので、それを利用した網の使い方をします。両手にそれぞれ網を持ち、片方の網を動かしてメダカを追い立てると、群れは一斉に網と反対方向に逃げ出すので、もう片方の網をメダカが逃げる方向に差し出して捕まえるのです。網2本で挟み撃ちにするような形です。2人で捕まえるときは、1人がメダカを脅かすように追い立て、1人は動かず網を構えておいて捕まえるという役割分担をするといいでしょう。
当然ですが、メダカはむやみに捕っていいというものではありません。メダカ捕りを行うにあたってはいくつかの注意点があります。
メダカの産卵行動には特徴があります。だいたいの魚は、メスが卵を産んで卵から離れると、入れ替わりにオスが精子をかけ、受精させます。しかしメダカはちょっと違っていて、オスが背ビレと尻ビレを使いメスを抱っこする形になったところでメスが産卵し、オスはすぐに精子をかけて受精させます。これは確実に自分の子どもを残すためのメダカの工夫だと言えます。
ハローウッズは42ha(東京ドーム約9個分)の広さがあり、いつでも、誰でも、思いっきり遊べる元気な森です。人と自然が楽しくかかわり合い、自ら体験し、発見できるプログラムをたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
ハローウッズのホームページへカブトムシやクワガタムシたちがいちばん動き回るのは朝と夜。テントに泊まって普段は入ることのできないエリアで夜と朝に生きものに詳しいスタッフと特別な虫とりを楽しもう!
※現在は予定通り開催に向け準備を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症状況を注視したうえで判断し、内容を変更して実施または開催中止の可能性がございます。ご理解くださいますようお願いいたします。
「虫とりキャンプ特別編」ページへ