こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。みなさんは最近、カタツムリを見ましたか?でんでん虫という名前で童謡にも歌われて多くの人に知られているカタツムリですが、全国的に個体数が減っているのか、近ごろはあまり見かけなくなったような気がします。そんなカタツムリですが、見つけることができたら是非試してほしい実験があるので、今回ご紹介したいと思います!
昔ほどには見かけなくなったカタツムリですが、雨の日や雨上がりに薄暗い場所を探せば案外簡単に見つかることもあります。具体的には、日陰にある公園のトイレなど、コンクリートでできた外壁を探してみてください。
カタツムリは、成長とともに窮屈になった貝を大きくするためにコンクリートの表面を削ぐようにして食べ、そのなかに含まれる石灰質から貝殻の元となるカルシウムを摂取しています。だからカタツムリを探すのは、雨の日の薄暗い場所にあるコンクリートの壁。これがポイントになります。
カタツムリが食べているのはコンクリートばかりではありません。畑では作物を食べてしまう害虫として扱われているほど、カタツムリは野菜が大好物。そこで今回は、その野菜を使って簡単な実験をしてみましょう。
みなさんはカタツムリのうんちを見たことはありますか?カタツムリがどんなうんちをするのか、公園で捕まえたカタツムリに大好きなニンジンをあげてみました。
近くの公園で捕まえたカタツムリ3匹を飼育ケースに入れ、薄い輪切りにしたニンジンをあげてみます。
お腹が空いていたのかな?
3匹ともすぐにニンジンを食べ始めました。
皮は食べないだなんて、贅沢なカタツムリです。でも中身はしっかり食べてくれましたよ。
しばらくしてからニンジンの周りを見てみると、なんとオレンジ色のうんちを発見しました!これは、ニンジンの色なのでしょうか?
では、今度は色のついたメモ帳(メモ帳や画用紙など、表面に印刷のされていない紙が好きなようです)を与えてみると…。
とてもキレイなパステルカラーのうんち!やっぱり、カタツムリは食べたものと同じ色のうんちをしています。
面白いですよね。実はカタツムリには食べたものの色を分解する機能がないため、食べたものと同じ色のうんちをするんです。
簡単な実験なので、みなさんもカタツムリを捕まえたら是非試してみてください。夏休みの自由研究にもおススメですよ!
●自然の生き物を触った後は、必ず石鹸でよく手を洗いましょう。
うんちの実験も面白いですが、カタツムリにはまだまだ知ってもらいたい生態がたくさんあります。
細い糸の上を器用に歩くことができるし、カッターナイフの刃の上や針の山を歩いても大丈夫!寒さにも強くて、気温が氷点下になっても貝に蓋をして冬眠しながら生き延びることができるんですよ。のんびり屋さんに見えるカタツムリですが、意外とすごいんです。
「なぜ?なに?自然の大図鑑」では、そんなカタツムリの秘密に迫ります。どうぞ、お楽しみに!