こんにちは!日本野生生物研究所の奥山です。田植えを終えた田んぼの中を覗いてみると、はじめは何もいないようでも、じっと見ているうちにいろんな生き物が見えてきます。そこで今回は、田んぼや水路での網を使った生き物のつかまえ方をご紹介します。
田んぼは人の作った場所ですが、里山に住む生き物にとって欠かせない場所でもあります。たとえば、春、田植えのときに泥水が川に流れ出ると、川のドジョウやタモロコやフナ・ナマズなどの魚たちが、その泥の匂いをたどって田んぼへと入り込み、卵を産みます。田んぼの水温は高いので、魚たちにとって絶好の子育ての場になるからです。そしてそれを目当てにいろんな生き物がやってきて、食物連鎖が成り立っています。
※夏を代表する田んぼの生き物 “ホタル” をもっと知ろう!
なぜ?なに?自然の大図鑑! を見る。田んぼには、魚たちだけでなく様々な生きものが集まってきます。田んぼをのぞいて目をこらして見てみると、だんだんと目が慣れて生き物が見えてきます。田んぼの隅や草などの陰に隠れています。網を入れて探ってみよう。
魚や生きもののいそうな草の茂った場所の流れの下流の岸に網を構えます。
できるだけ岸ギリギリのところで網は構えます。構えた網に向かって足で草の中の生き物を脅かすように追い込みます。
足が網まで追い込んだら素早く網を上げます。網の中を覗くと。。。隠れていた生き物が網に入っています。
2人でガサガサ:一人が網を構え、一人が網へ追い込む方法。あみが2本あるとよりたくさん採れます。
場所を変えていろいろ探ってみよう。場所を変えることでいろいろな種類の生きものに出会えます。
田んぼには持ち主がいます。田んぼで遊ぶ時は、その田んぼの持ち主に一声かけて承諾を経てから遊ぶようにしましょう。また、畔を崩さないように、稲にダメージを与えないように、マナーを守って遊びましょう。
最近の田んぼは、畦(あぜ)がコンクリートになっていたり、水路がコンクリートの三面護岸になっていたり、必ずしも生き物にとってすごしやすい環境とは言えません。しかし、自然が少なくなってきている現在、生き物たちも人間の作り上げた環境を当てにしています。里山の生き物たちと人間が仲良くくらしていける環境が増えていってほしいですね。