Gold Wing Stories
17年ぶりにフルモデルチェンジした
Hondaのフラッグシップ

2018年、HondaモーターサイクルのフラッグシップモデルであるGold Wingがフルモデルチェンジし発売されました。2001年に排気量を1800ccに高めたモデルの発表以来、17年ぶりの刷新となりました。
Gold Wingシリーズは1980年発売のゴールドウイング(GL1100)インターステート以来、グランドツアラーとしての機能を重視し、サドルバッグとリアトランクを標準装備してきました。存在感のあるトランクがついた姿が、堂々としたGold Wingらしさに寄与していたともいえます。
一方、2018年発売の新型のGold Wingは、リアトランクとサドルバッグを標準装備したGold Wing Tourと、サドルバッグのみを標準装備したGold Wingの2タイプのラインナップになりました。

2018年4月発売 Gold Wing Tour デュアルクラッチトランスミッション<エアバッグ>
日本仕様

2018年4月発売 Gold Wing 日本仕様
リアトランクがなく、従来のGold Wingにはないスタイリッシュさとスポーティーさが特徴
「The King」を見直す、開発者による英断。
Gold Wingシリーズは、1975年に発売されて以来グランドツアラーという独自の世界を築いてきました。その唯一無二の世界観は、当初から一貫して「The King」という開発テーマが掲げられていたことによります。
新型Gold Wingの開発にあたり、開発チームは、次世代モデルに求められる理想像を模索するために、Gold Wingが愛用されているさまざまな地でお客様との対話を行いました。
そこで把握できたのは、お客様にとって、「立派、豪華」であることが扱いやすさの阻害に繋がる場合があることや、「快適さ」がともすれば退屈に感じられるという、開発者とお客様の想いや感じ方に違いがあることでした。
そこで、開発チームは「The King」の先入観から自らを解放して、6世代目のGold Wingがお客様に提供すべき価値を再構築することからスタートしました。
開発テーマを「The Honda Premium Tourer」に決定し、これを具現化するために、4項目を設定しました。
- - 車体: デイリーユースからロングツーリングまで幅広く使いこなせる、より軽量で高密度な新世代車体パッケージング
- - パワーユニット: スムーズ&アグレッシブな新世代F6(フラット6 = 水平対向6気筒)ユニット
- - スタイリング: ”Refined Shape Tension Style”という開発コンセプトに沿った洗練された鋭さと緊張感
- - 制御、電装: Premiumを実感する先進装備
これらの大目標から、各領域で具体的に投入する技術について詰めていったのです。
車体
フレームはアルミ製ツインチューブを継承しながら軽量化を図り、Honda独自のダブルウィッシュボーンフロントサスペンションを新たに採用しました。この車体構成により、乗り心地の向上と軽快なハンドリングを実現しました。

フロントサスペンション構造図
歴代のGold Wingではライダーだけでなくパッセンジャーにとって快適な居住性を追求してきました。このモデルにおいても、新しい車体にマッチした新形状のシートを採用し、さらなる快適性を図りました。

シート Gold Wing Tour 北米仕様
パワーユニット
水冷・4ストローク・OHC・水平対向6気筒の形式を継承しつつ、軽量化とコンパクト化を図るために新たに設計しました。バルブ駆動方式にユニカムトレインを採用するなどで、従来に比べ6.3kgの軽量化を実現。また、トランスミッションは従来の5速から6速仕様に変更し、新たに7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)* をGold Wing Tourにタイプ設定しました。
車体とパワーユニットで革新的な軽量化を図ることで、車両重量は従来のGold WingとGold Wing Tourの比較では38kgもの軽量を達成したのです。
*Honda独自技術の二輪車用DCTは、マニュアルトランスミッションの機能はそのままに、クラッチ操作とシフト操作を自動化したトランスミッションです。

新設計パワーユニット Gold Wing

7速デュアルクラッチトランスミッション Gold Wing Tour
スタイリング
快適性や高い運動性能、質感の高さを高次元でバランスさせることを目指しました。
そして、ダブルウィッシュボーンフロントサスペンションの採用によって、先進性を飛躍的に向上させた性能を一目で伝えられるスタイリングを実現しました。

イメージスケッチ Gold Wing Tour

イメージスケッチ Gold Wing Tour
制御、電装
ライダーのスロットルグリップ操作に対し、スロットルバルブ開度を電子的に制御するスロットルバイワイヤを新採用。
また新たに「ツアー」「スポーツ」「エコノ」「レイン」の4種類の走行シーン別ライディングモードを採用しました。スロットルバイワイヤによるパワーフィールの違いに加え、7速DCTのATモード変速スケジュール、トルクコントロール、サスペンションの減衰特性、ブレーキ特性の計5要素で制御されます。これにより、各走行シーンにマッチした出力特性と運動特性による「走る」「曲がる」「止まる」の最適バランスを提供することが可能になりました。
こうして、軽量・コンパクトな車体にスムーズでアグレッシブな新世代のパワーユニットを搭載するとともに、先進の制御技術によって、開発テーマのThe Honda Premium Tourerを具現化しました。
そして、ライダーとパートナーそれぞれに最上のライディングプレジャーを提供することが可能になりました。


Gold Wing Tour 走行シーン (海外仕様)