Gold Wing Stories

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Gold Wing Stories

1988ゴールドウイング(GL1500)

ラグジュアリーツアラーの
最高峰を目指した4代目モデル

ゴールドウイング(GL1500)

1980年に発売したゴールドウイング(GL1100)インターステートは、フェアリングにリアトランク、サドルバッグを装備した快適なグランドツアラーとして、アメリカで高い支持を受けるとともに新たな市場の開拓にもつながりました。
この市場動向をとらえ、他のメーカーもこのカテゴリーに積極的に参入してきました。1982年には、ヤマハがV型4気筒1200ccモデルを、スズキが直列4気筒1100ccモデルを投入。1983年には、カワサキが1300cc直列6気筒モデルを投入するなど、競争が激化してきました。

そのなかでもHondaは、ゴールドウイング(GL1100)インターステートに次いで、1984年に水平対向4気筒エンジンの排気量を1200ccに拡大したゴールドウイング(GL1200)アスペンケードを発売して、成長著しい市場の中で存在感を示していました。
しかしながら、このカテゴリーは今後ますます競争が激しくなると見越したHondaの開発者たちは、さらに圧倒的な存在感と高い次元で快適な長距離ツーリングを可能とする次世代モデルの開発を急いだのです。

開発にあたっては、初代ゴールドウイングから搭載されている低重心化に寄与する水平対向型エンジンを継承することが決まりました。しかし引き続き4気筒にするか、それともまったく新しい6気筒にするかで意見が分かれました。
当初試作した6気筒エンジンは、ピックアップが鋭くパワーが一気に上がるなど、ラグジュアリーツアラーに求められる性格とは異なるものになりました。
そうしたこともありパワー感は4気筒で十分であると一時判断されたものの、その後の熟考の末ライバル車に対して圧倒的な優位性を確保するために、二輪車では過去に例のない6気筒エンジンが必要不可欠と結論づけられました。

求めたものは、極めて静かでシルキーかつスムーズでパワフルなエンジンと、優れたハンドリング性能。この実現困難な課題解決のため、当時のHondaにとってもっとも大規模な開発プロジェクトが立ち上がったのです。

開発段階では、15種類もの試作車によってさまざまなテストが繰り返し行われました。それらを経て完成したエンジンは、新開発の水冷・4ストローク・OHC・水平対向6気筒1500cc。このエンジンを搭載するフレームは、低重心設計のダブルクレードルタイプとしました。 

透視図:新開発の水冷・4ストローク・OHC・水平対向6気筒1500ccエンジン

透視図:新開発の水冷・4ストローク・OHC・水平対向6気筒1500ccエンジン

スタイリングは、進化したゴールドウイングにふさわしい姿が目指され、流麗かつダイナミックで、フェアリングやカバー類は外から取付ビスなどが見えない工夫が施されました。

透視図:フレーム構造と水平対向エンジン、シャフトドライブ機構などを伝える

透視図:フレーム構造と水平対向エンジン、シャフトドライブ機構などを伝える

こうして誕生したゴールドウイング(GL1500)は、数々の豪華装備の採用などでライダーとパッセンジャーに最上の歓びを提供するラグジュアリーツアラーとして永く愛用されることになります。

1988年 ゴールドウイング(GL1500) 北米仕様

1988年 ゴールドウイング(GL1500) 北米仕様

ゴールドウイング(GL1500)は、引き続き米国・オハイオ州の生産拠点ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング(HAM)で生産されました。日本では、四輪車アコード・クーペとともに輸入して発売を開始しました。

1988年 ゴールドウイング(GL1500)、アコード・クーペ 日本仕様

1988年 ゴールドウイング(GL1500)、アコード・クーペ 日本仕様

ゴールドウイング(GL1500)は、北米をメイン市場としながらも、欧州や日本でもファンを拡大することに成功しました。完成度の高いエンジンと車体に加え、快適な走行のために長年にわたって研究した機能性とデザイン性を両立したパッセンジャーシートやフェアリングなどが高く評価されたのです。そして基本的な変更を加えることなくGL1800誕生目前の2000年まで、13年間にわたってロングセラーであり続けました。

歴代のゴールドウイング(GL1500)

1990年12月発表、1991年3月発売 コールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイングのアメリカ生産10周年を記念したモデル

1990年12月発表、1991年3月発売 コールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイングのアメリカ生産10周年を記念したモデル

1994年12月発表、1995年3月発売 ゴールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイング誕生20周年を記念したモデル

1994年12月発表、1995年3月発売 ゴールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイング誕生20周年を記念したモデル

1999年 ゴールドウイングSE (GL1500) 北米仕様。Honda創立50周年を記念したモデル
1999年 ゴールドウイングSE (GL1500) 北米仕様。Honda創立50周年を記念したモデル

1999年 ゴールドウイングSE (GL1500) 北米仕様。Honda創立50周年を記念したモデル

1999年10月発売 ゴールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイング(GL1500)は、この2000年イヤーモデルが最終モデルになった

1999年10月発売 ゴールドウイングSE(GL1500) 日本仕様。ゴールドウイング(GL1500)は、この2000年イヤーモデルが最終モデルになった