製品領域に関するリソースサーキュレーション
四輪車の取り組み
四輪車においては、従来の3R 活動を推進し、使用済み製品の適正処理も確実に行ってきました。
循環型ビジネスへの転換として、水平リサイクル※1、リパーパス※2、リファービッシュ※3など新しい事業やサービスに取り組んでいきます。新車販売、中古車に関わるリソースサーキュレーションについて紹介します。
- 水平リサイクル:使用済み製品を再資源化し、再び同じ用途の製品に利用すること。
- リパーパス:一次利用した自社製品などを、他用途に二次利用すること。
- リファービッシュ:中古車に対して最新アップデートによる性能・サービス向上などの新価値を付加すること。
バッテリーのライフタイムマネジメント事業化に向けた取り組み(Business Innovation)
2024 年発売予定の軽 EVに搭載されるバッテリーを対象に、バッテリーモニタリング機能を高度化し、車載用から定置用への転用を通じて、ライフタイムマネジメントを行うバッテリー価値最大化への取り組みを進めています。
部品の劣化状態などを判断するバッテリーモニタリング機能により、資源の効率利用が可能となり、車両ユーザーの経済的負担低減につながります。
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四輪バンパーリサイクル材の部品適用拡大(Circular Design)
2024 年発売予定の軽 EV「N-VAN e:」に、Honda 車の廃棄バンパーを回収・粉砕し、サステナブル素材として生きかえらせ、エクステリアなどのワンポイントとして再利用しました。
フロントグリルは歴代 Honda 車のバンパー塗装をあえて粗く残してランダムに混ぜ合わせる技術を適用し、一つとして同じものがない、個性的で楽しい模様としています。
フロアカーペットマットへのサステナブル素材適用(Circular Design、Circular Value Chain)
2024年4月より、軽自動車「N-VAN」のHonda 純正アクセサリー「フロアカーペットマット」にサステナブル素材であるリサイクルPET 素材を採用しました。従来製品に比べて大幅な軽量化も実現しています。
サステナブル素材を採用することは、使用が終わったあとのリサイクル性への配慮や将来の循環型社会への対応を見据えた取り組みです。今後は、適用車種を順次拡大していきます。
中古車リファービッシュに関連するサービス開始(Business Innovation)
2023年9月より日本の中古車事業において、中古車に新品のHonda純正アクセサリーを取り付ける「いまコレ+(プラス)」を開始。
2024年1月より北米の中古車事業においてもアコード向け「AppleCarPlay および Android Auto のワイヤレス機能を実現するディーラー装着の新しいアップグレードサービス」を開始しました。
これはリファービッシュによる製品価値の回復・向上、新価値付加などや利用サービスの提供は製品を最後まで使い切ることと、廃車時の製品回収の機会を増やすことつながり、資源を効率的に利用することができます。
二輪車の取り組み
二輪車においては、環境負荷低減の観点から軽量化による材料使用量の削減、再生材の適用やリサイクル性に配慮した構造設計などの取り組みを行っています。
原材料の採掘における土地改変や材料製造時に発生するCO₂排出量を削減することができる鉄・アルミなどの再生材のほか、化石資源の採掘削減につながるバイオ由来の材料や樹脂再生材などを適用した新たな取り組みについて紹介します。
バイオエンジニアリングプラスチックの製品適用(Circular Design)
樹脂領域の新たな取り組みとして、バイオ由来で環境にやさしいバイオエンジニアリングプラスチック“DURABIOTM”※1を、2024年3月発売のCRF1100L Africa Twinの透明フロントスクリーンに世界で初めて※2採用しました。
今後は、他モデル・他部品へ適用を拡大予定です。
- DURABIO™ は三菱ケミカル株式会社の登録商標です。
- Honda調べ(2023年10月時点)。
大型アドベンチャーモデル「CRF1100L Africa Twin」シリーズの仕様装備ならびに外観を一部変更し発売
四輪バンパーリサイクル材の二輪車への適用(Circular Design、Circular Value Chain)
これまで、販売店から回収した Honda 車の廃棄バンパーを原料としたリサイクル材を四輪車のアンダーカバーなどに適用してきました。
スペック最適化を行うことで、これまで二輪車への適用が難しかったバンパーリサイクル材を2024 年販売予定の熊本製作所で生産される大型モデルに適用します。
これは Honda の特徴でもある販売製品の多様性や回収スキームを活かした取り組みとなります。
アルミ再生材の適用(Circular Design)
スクーターやカブなどの小型モデルに市中スクラップを原料としたHPDC※3製法の小径ホイールをベトナム、タイ、ブラジル、中国で適用してきました。
技術課題などの観点から、これまで適用が難しかった大径ホイールを2024 年販売予定の熊本製作所で生産される大型モデルに適用します。
今回の大型モデルへの適用にて、大型から小型までの製品群で再生材を使用したホイールが適用されます。
- HPDC:High Pressure Die Casting(高圧鋳造法)。